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島日記 惜しむ春

画像はムギセンノウ(麦仙翁)、ムギナデシコ(麦撫子)とも言う。
園芸種ではアグロステンマとなっている。
属名がアグロ、野原、畑を意味し、テンマは王冠。

ヨーロッパの麦畑に多く見られ、種子が毒を含んでいるので飼料のために害草とみなされている。
帰化植物だが日本ではそこまで嫌われてなさそうだ。

最近「植えてはいけない植物」とか「実は怖い植物」のような記事を見かけて一人嘆いているのだが、まだムギセンノウは大丈夫のようだ。
風に揺れる風情がなんともいえなくて種をまく。
こぼれ種で出てきてほしい草花の一つである。
白花がいいのだが。

庭は行く春を惜しむように雑草なる草花が咲き乱れている。
秋の草花は燃えつくすように寂しそうだが、春は生き生きと謳歌する色とりどりの花が咲く。

晩春は春の名残、春のゆくえ、惜春、四月尽く、と多くの言葉もあり、惜しむ気持ちを表す。
その後は生命のきらめく夏が待っている。
そこに悲しみの気配は薄い。

春霞、黄砂の影響で曖昧な空の色である。
それでも草花たちは、虫を待ったり、種を作るために見えないエネルギーをフル稼働していることだろう。

力を出し切ったレンゲ草
今からのニワゼキショウ
真っ盛り
今年はハハコグサが少ない
マツバウンラン
ヨメナ
ヒメキキョウ
スミレも名残惜しく


つい先頃春がきたと喜んでいたのに、次から次へと花たちが入れ変わり、名残惜しく季節はめぐる。
だがもうすぐクチナシ、アジサイの季節。
植物は単調な毎日に活気と安らぎを与えてくれる。
明日もまた違った草花が咲くことだろう。


今日もお付き合いくださってありがとうございます。

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