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2022年の記譜法

日々、当たり前のように音楽を聴いていると、あっという間に1年が過ぎてしまう。

素晴らしい作品にたくさん出会えた2022年、特によく聴いた13枚を選びました。

「順位付けすることに意味はあるのか」とも思いましたが、2022年の気持ちや気分をパッケージしておけるからそれなりに価値はあるかもと思い、こういう書き方をしてみました。

時間が経てば、また変わると思います。


13位 Rachika Nayar / "Heaven Come Crashing"

ブルックリン拠点の女性ギタリスト(作曲家でもありプロデューサーでもある)ラチカ・ナイヤーの2nd。

2021年にリリースされた1stアルバムOur Hands Against the Duskで初めてRachika Nayerを知った。電子音楽の快楽とともにギターサウンドの新たな解釈を提示しているようで当時衝撃を受けた。今回の作品はギターとエレクトロニックミュージックの再構築を更に推し進めているような作品。

アルバムタイトル曲は幽玄な前半から激しいドラムンベースのような後半への流れがめちゃくちゃカッコいい。ただこの曲以外は前作ほどはハマらなかった。


12位 Tom Ford / "The Tennis Champions"

英国バーミンガム出身のトム・セミナー・フォードの1stアルバム。音楽性を一言では表現できないサウンド。ネオソウル、ポップ、ジャズ、エレクトロアコースティックなどなどが融合した、とても気持ちいい音を聴かせてくれる。

名前がトムフォードなので、有名ファッションブランドと被っていて、検索しづらい笑
人となりについてはこの記事が参考になった。英語ですが興味のある方はぜひどうぞ。


11位 宇多田ヒカル / "BADモード"

多くの方が2022ベストに入れているこの作品。私も好きです。やっぱり良いよね、宇多田ヒカルは。


10位 Nilüfer Yanya / "PAINLESS"

ロンドン拠点、ニルファー・ヤンヤの2nd。

冷たくて、だけど惹きつけられる特徴的な彼女の声。オルタナ、インディーロックなギターバンドサウンドが大好き。

今回の作品はソングライティング的にどの曲も素晴らしい。


9位 Ghostly Kisses / "Heaven, Wait"

ただただ美しい。

浮遊感、甘美、神秘的。
朝霧の湖や標高の高い森を歩くような気分を味わえる。

あまり旅行へ行けていない人はこの作品を聴くと(良い意味で)トリップできるのでオススメです。


8位 大石晴子 / "脈光"

待ちに待ってたアルバム。

日常の機微を紡ぐ音楽はたくさんあるけど、大石晴子さんが見せてくれるものは他とは違って、私には特別なものに感じる。

日々の生活のなかで、心がトゲトゲしてしまった時に聴くと浄化される。


7位 坂本慎太郎 / "物語のように"

今作はすごくポップで、初めて聴いた時はびっくりした。

何も調べてないけど「コロナ禍で鬱屈した世界になった反動で、この路線の作品になったのかな」と勝手に想像してる。

ただ何度も聴いていると、このポップさが逆に悲しく聴こえてくるのが不思議。


6位 OMSB / "ALONE"

恥ずかしながらOMSBさんの存在をこの作品を聴くまで知りませんでした。誰かが上半期の1位にこのアルバムを挙げていて、ジャケのカッコ良さから聴いてみたら、どハマりしました。
トラックも最高だし、リリックも刺さりました。

TAMTAMのKuroさんとの楽曲も今年良く聴いた1曲です。最高。


5位 さらさ / "Inner Ocean"

ソウル、メロウなブラックミージック的トラックに気だるい歌唱が乗って、すごくカッコいい。

このジャンルって日本でもたくさんの方がいるけど、さらささんはもう別格な感じですね。

今後の作品も楽しみ。


4位 優河 / "言葉のない夜に"

アルバム全体に統一した夜の空気感があって、ひんやりした声とともに夢の中へ連れて行ってくれる。

聴いてるとなんかいつも泣けちゃう。最後の28という曲を聴き終えると、明日からまた頑張ろうと思える。そんな作品に今まで出会ったことが無かったので不思議な感覚。


3位 Arctic Monkeys / "The Car"

初期のロックサウンドが好みだったので、3rd以降は繰り返し聴いてはこなかった。ただ、今回のアルバムはなぜか何度も何度も聴いてしまう。音楽理論なんて全然分からないけど、聴けば聴くほど発見があるし、不思議な魅力がある。

どの曲も素晴らしいけど、特にBig Ideasの後半なんて(特にギターソロ)昔の日本歌謡で笑ってしまった。大好き。

ジャケットも素晴らしいよね。


2位 Daniel Avery / "Ultra Truth"

圧倒的な熱量にやられた1枚。

ノイズの毛布に包まれて身を委ねる。暗闇の中だけど、そこにあるのは絶望とかではなくて、前向きな啓示。

聴いてるとそんな事を感じる。


1位 柴田聡子 / "ぼちぼち銀河"

気付いたらいつも聴いていた作品。

柴田聡子さんのことを知ってはいたけど、過去の作品は眩しいというか明るい昼間のようなイメージの曲が多くて、しっかり聴いたことがなかった。

今回は曲の温度感が抜群に好み。照度が今までより少し落ちた感じがして、私の心にすっと入ってきた。歌詞についても、よくこんな表現ができるなと唸ってしまう素晴らしさ。

最高です。


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