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旅とスピード。【シ的なHolidays】

2017.11.13〜11.16:高知旅

今回は、別居中のかみさんに会いに行くことがメインの目的だったので致し方がないが、旅は独りがいい。
もちろん誰かと一緒に旅するのも悪くはないが、二人ならまだしも、3人以上は無理かな。
ここは北海道と違って、古く入り組んだ町がいい。車窓から見える集落もそそられる。できることなら、そんな集落で「お邪魔します。ちょっとこのあたりを見せてください。」と歩き回りたい。北海道の田舎は広いところに家が点在していて集落って感じではなく、このあたりはまさに集落。「落ちて集まったの?集まって落ち着いたの?」って感じだ。
もちろん大きな街もあるし、歴史ある古い町もある。面白そうなところがあったら、そこをブラブラしたい。独りで地図も見ずに足の向くまま気の向くまま。もちろん徒歩で。
バイクや自転車は僕には合いません。歩くスピードが一番ピッタリ来ます。雨でも雪でも晴れでも猛暑でも。それぞれに町の色があり、匂いがあり、空気があります。それを感じるのは、歩くスピードです。色褪せた看板。苔生した石垣。風に揺れる竹林。歴史のありそうな寺社仏閣。ひっそりとした喫茶店。決して観光客のモノだけでない市場。甍越しの空。打ち寄せる太平洋の波。人の気配のない山道。悠々と流れる川。
この日も小雨が降っていたのと、独りじゃなかったから、同行者に気を使ってしまい、フラフラするのも気が引けてしまった。それでも彼女はそういう僕の気質を知っているから、要所要所で車を停めて、短い時間ではあったが町歩きを付き合ってくれた。ありがとう。
「ああ、歩いて旅したい。独りで旅したい。」
と、口にしてしまえば、車内は険悪なムードになるので、運転手の彼女とクダラナイ話をしながら、緑と竹林と川と太平洋と集落が20倍速で流れて行くのを眺めていた。


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