SHEISHI 最終回

「俺の名はザメン よろしくね君達」
そう言うと彼はその場に座り込んだ。
セシーとカルピスは彼に聞いた。なぜここにいるのか?貴方は誰なのか。
「俺は君たちと同じ精子さ ここにいる理由は特にない。 ただ受精して生物として産まれるのも面倒臭いなって」
そういうと彼は近くの体が溶ける液体に飛び込んだ
セシーとカルピスが呆気に取られていると、
「ごめん びっくりした? 大丈夫 僕最強だから」
彼の体は溶けてはいなかった。むしろその液体を気持ちよさそうに浴びている。
するとどこからともなく大きな球体が現れた。
「我が名はピル お前らを殲滅する物だ」
そう言うとビームを出した。 カルピスは息絶えた。
セシーは震えた 理不尽なほど絶対的な恐怖がそこにはあった。震える体をザメンが抑える。
「大丈夫 僕最強だから おいピル 言っとくけどそっちが挑戦者だから」
「クソガキが」ピルがセシーを睨む
史上最強のピルVS 現代最強の精子の戦いが始まった。
「膣イキ展開 術式 白 」ザメンが唱えると周りがホワイトアウトし白に包まれる。
この術式内に置いてザメンの姿形は無くなり、概念となる。
概念となった術式内において彼を攻撃することは出来ず、ただひたすらにHPを削られ続ける。
これが腟内で生き続けることが出来る唯一の精子 ザメンの力であった。
 「ほう まさか膣イキ展開を使える精子がいるとはな ではこちらもいくぞ 腟イキ展開 宿主心情」
すると途端にホワイトアウトしていた視界が真っ赤に染まる。
セシーがその光景を見ていると、眼の前に倒れたザメンの姿があった。
「この領域内では宿主 この体の持ち主の感情によってすべてが決まる 彼女は妊娠することを望んでいない よってお前は死ぬ 」
「天晴だ ザメン 生涯貴様を忘れることはないだろう」
ザメンは倒れた。
「おっともう一匹いたな これで終わりだ 膣イキ展開 宿主心情」
セシーは目を閉じた これで全て終わりだと悟った。
だが体にはなんの痛みも無かった。これが死というやつなのだろうか?
目を開けた。眼の前には倒れたピルの姿があった。
何事かわからずたちすくしていると、ピルが口を開いた。
「なぜた 私が精子に負けるなど‥」
セシーはなにがなんだかわからなかった。だがもうセシーを遮る物は何もなかった。
彼は走った ラシーの元へと。
 走った先にラシーはいた 二匹は目を合わせ抱き合った。
するとこの身体の主の感情がセシーの中に流れてきた。
(怖い 産みたくない 辛い)非常に大きな不安が彼女を包んでいた。だがその奥、かすかではあるが聞こえたのだ(産みたい 子供が欲しい)という声が。
10月10日後
ミナは病室で亮太を待っていた。するとそこに仕事終わりのスーツを着た亮太が走り込んできた。
「産まれたわ 元気な男の子 」亮太はミナからその赤子を手渡された。亮太は彼を強く抱きしめる
「お前は自由だ」亮太は呟いた。
SHEISHI 完
あとがき
お疲れ様でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。この作品を、私が信仰しています霊友会の支部長の方々へ捧げます ありがとうございました

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