掌編小説「ジョンは何でもお見通し」
友人のジョンが殺された。
朝のコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた僕は、目を疑った。犯人はエリーゼ夫人。エリーゼは同郷のクラスメイトで、ジョンの妻だ。
ジョン・ルマンド氏が、エリーゼ夫人の浮気の証拠を見つけたことから揉め事になり、エリーゼ夫人は、チェストから取り出した拳銃で——新聞にはこのような内容が書かれていた。
僕は天を仰いだ。悪い夢だと言ってほしい。あのジョンが拳銃が見えないはずがない。だって君は、何でもお見通しだったじゃないか。
ジョンには昔から不思議な力が