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第47話「固くなってしまった心と笑顔」

人の笑う姿を見ていると幸せになる。
それも身近な人が、いつも楽しそうに笑っているとそれだけで幸せになる。
箸が転んでも笑うではないが、小さな出来事でも笑うことができるのは素敵だ。
一方で、些細なことでも、すぐに目くじらを立てる人もいる。

人は知らず知らずに、多くの知識を吸収することによって、知っているがために感動することを忘れてしまい、過去の何かと比較しがちになる。それでも、心が柔らかい人は、感動し、笑い、楽しむことができるものだが、歳を取ると、というより会社や組織の一定の価値観に染まると心がどんどん固くなる。

いつも美味しいものばかり食べている人は、もっともっと美味しいものをと欲が広がり、他の人が美味しいと思うものでも、一緒に美味しいねと喜べれば良いのだけど、まぁまぁだねと辛口のコメントになる。周りの人の心は萎み、自分自身も満足するわけではなく、誰も幸せではない。
一方で、欲が無いと進化は無いとも言える。その欲は、我欲ではなければ、素晴らしいのだが、我欲は止まることを知らない。

人の心は硬くなり、柔軟性を失うのであれば、これは体と一緒で、心も柔軟体操をしていれば年を経てもずっと柔らかく入れるはずだ。

僕が働いていた時に、旅に出て自然に触れ合っていると少しずつ固くなってしまった心が日が経つにつれて柔らかく寛いでくるのがわかる。というよりも、寧ろ如何に心が固くなっていたかがわかる。徐々に柔らかくなって、これなら昔の様に詩でも書けそうだなと思える頃に、非日常から忙しい日々に戻り、心がまた硬化をはじめる。

では、どうしたら柔らかく保てるのだろう。

1週間に一回で良いので、今週楽しかったこと、感動したことがなかったかを振り返ってみるのだ。最初は、あまり思い浮かばないかも知れないけれど、徐々にたくさんの楽しいこと、感動したことが浮かんでくる。要は、今まで目の前にあってスルーしていた小さな面白いことに気づく様になってきた証拠である。
できれば、一日の終わりに寝る前に、振り返るともっといい。楽しかったことを思い浮かべられる様になって、眠りにつける様になると感謝の心と笑顔が生まれる。
今日も楽しかった、ありがとうって。

『笑う門には福来る』なのである。


森の黒ひげ塾
塾長 早川 典重

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