教えに会う:草という名前の草はないのですね、先生。/あの日、天然水の森で。
「これは面白い。ここにカンスゲ(寒菅)があって、すぐそばに、コカンスゲ(小寒菅)がある」。
「サントリー天然水の森 奥多摩」の植生調査に同行した時に聞いた、東京農業大学・中村幸人(なかむらゆきと)教授の言葉です。
カンスゲ。
コカンスゲ。
確かに、同じようで、明らかに違います。
教えてもらえなければ、そうじっくりと見つめることはなかったでしょう。考えてみれば、名前を付けるということは、その存在の独自性に気付いて、そのかけがえのなさを大切に思うことの証なのですね。
草木のひとつひとつに、固有の名前を付けてきた先人に、学ぶべきことは、まだまだ、たくさんあるようです。
2011.11.3|サントリー天然水の森 奥多摩