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年初の挨拶(振り返りと抱負)

新しい年が始まりました。旧年の振り返りと、新しい年を迎えるにあたりいま考えていることを、それぞれ書き記しておきたいと思います。

「コモレビ」のサービス開発について

2022年は世界にとっても日本にとっても、明るい話題が多い年では決してなかったように思っています。この世界がいかに危ういバランスの上に成り立っていたか、改めて気付かされる出来事が相次ぎました。また、日本国内においても、従来のシステムの矛盾や限界が露呈し、国自体の衰退をより意識させられる機会は多かったのではないかと思います。

メンタルケアサービスの「コモレビ」をローンチし、2022年12月で1年8か月となりました。上述のような社会の歪みや世界の変動も影響してか、多くの問い合わせ・ご利用をいただいており、現在では新規の利用受付を一部制限させて頂いている状態となっています。

問い合わせを多く頂けること自体はサービスを運営する立場としてはありがたいことではあるのですが、「苦しい立場に置かれた人が、さらに苦しい立場に追いやられてしまう」ような現在の状況には、どうしても歯痒さを感じてしまいます。

多くの問い合わせを頂いていると書きましたが、自分にとって2022年は決して良い年ではありませんでした。こんなに自分自身の課題や組織・サービスの課題を突き付けられ、そして、それらにこれほどまでに向き合い続けた(そうせざるを得なかった)一年は、これまでになかったように思っています。とても苦しい一年でした。

多くの「想定できていなかった出来事」があり、物事は計画通りには進まみませんでした。特に2022年の前半は、現場での問題解決に奔走するあまり、「経営者として取り組むべきこと」が後回し/疎かになってしまっていたと反省しています。

いまのサービス/会社が抱えている多くの課題は、その芽は2021年から2022年の前半には出ていたように思います。現在は、そのリカバリーに取り組んでいるフェーズだなと思っています。

一方、ようやく直近の1~2ヵ月で、経営に注力できる体制が整ってきました。これが2022年の一番の進捗だったと振り返っています。経営者にしかできない仕事に専念し、経営者として結果を出していくことが、2023年のテーマです。

少し話が逸れますが、「現場の問題解決に奔走し、経営が後回しになっていた」と書きましたが、現場で多くのユーザーの話を伺うことができたことは自分にとっては「財産」であり、必ず今後のサービス改善・経営に活かしていけるものと確信しています。

2022年は、60名を超える利用者さんのセッションに同席させてもらいました(利用に至らなかった面談などを含めると、100名を超えます)。

「統合失調症」や「うつ病」など、病名でラベルを付けてしまえば、その利用者の皆様は、容易にカテゴリ分けできてしまうかもしれません。

しかし、そのようなカテゴリ分けには意味はあまりなく、むしろ、利用者おひとりおひとりのこれまでの人生や苦労、いま直面している困りごとや目指したい生活を、ご自宅という最も私的な場でおうかがいする中で、世に抽象化されて語られる「社会問題」を、これまで以上に手触り感のある、解像度の高い形で理解できるようになることこそ大切なことだったと思っています。

そして、そこにこそ本質があるように思っています(当然、傲慢にも「理解した」などというつもりはありません)。

話を戻します。2023年に取り組むテーマとして「経営者にしかできない仕事に専念し、経営者として結果を出していく」と書きましたが、具体的には、以下の4つを考えています。

①常にミッションに沿って意思決定をし、ミッションに沿って行動する

私の会社では、「どのような境遇のひとにも、尊厳をもって生きられる場を。」というミッションを掲げています。これは(経済的なリターンのみではなく)サービスや事業を通じ、社会的なリターンを産み出していくことを目指している、という宣言です。

経済的なリターンに比べ指標化も難しく、成果が分かりにくいことから、常に足元の活動とミッションの結びつきを論理として明確にし、周囲に説明していく必要があります。

「なにを当たり前のことを…」と思われるかもしれませんが、わたし自身の経営者としての課題だなと思っています。

②経済面での結果を出す

ミッションからブレないという①を前提に、2023年は経済面での結果も同時に追求する一年としたいと思っています。

「想定できていなかった出来事」が相次ぐ中で、組織の存続と基盤整備を優先した結果、2022年は財務的なKPIの進捗は60%程度にとどまってしまいました。これは経営者として失格な水準だと反省しています。

弊社は現在は外部株主がおらず、財務的な成長プレッシャーは基本的にはありませんが、ある意味でそれが裏目に出たという側面もあるのかなと思っています。

たしかに、マーケティング、採用、サービスクオリティ、組織、ユニットエコノミクス・・・サービスを(そのスケーラビリティを)様々な角度・イシューから検証できたという意味では一定の成果はありましたが、2023年は、そこに「数字」という結果を伴わせる一年にしたいと思っています。

③リーダーシップチームを創る

フルタイム換算で社員数が15名ほどとなった2022年、リーダーシップをわたし一人ではなく、チームで発揮していくことが必要となってきています。

リーダーシップチームを形成・強化し、スケーラビリティを担保することが2023年の課題になります。内部では次のリーダーとなるメンバーを育てる取り組み・努力が必要ですし、外部からはそうした資質のあるリーダー候補を採用する(組織のケイパビリティを高め、採用できるようになる)ことが大切となります。

④良いチーム・組織を創る

2022年中に、エンゲージメント・サーベイ(いわゆる従業員満足度調査のようなもの)を実施しました。

こうしたサーベイについては、結果を経年で追わないと何とも言えない部分がありますが、より良いチーム・組織を創っていく上での、「スタート地点」が見える化された感覚があります。

もちろん、組織として抱える課題も少なくないのですが、できるところからひとつひとつ改善を積み重ね、良い支援チームを創っていけたらと思っています(良いチームなしに、良い支援をするのは難しいと考えているので)。

やや話は逸れますが、エンゲージメント・サーベイの結果は、今後は採用説明会や面接のプロセスで応募者に公開するようにしたいと思っています。会社に入る前から、「中の人からはどのように見えている/評価している会社なのか」を知っていただくことが、相互マッチングの場である採用には大切だと思っています。

プライベートについて

2022年は仕事中心の一年でしたし、2023年も仕事中心になりそうですので、プライベートの振り返り・目標は簡単に済ませたいと思います。

まずは学びについて。2022年は、インプット(勉強)やアウトプット(発信)に、ほとんど時間と労力を割くことができませんでした。

在学している通信制大学の単位取得が滞っていること、読書量がなかなか戻らないことなどは、(毎年のように繰り返されていますが)本当に反省です。中長期の(自己)投資を後回しにしている感覚があるので、このままだとどこかで燃料が尽きるのではないかという危機感があります。

アウトプット(noteの執筆など)と含めて、今年のテーマとする考えです。今年は、自らにインプットとアウトプットのKPIを設定してみたので、月次ぐらいで振り返りつつ進めていきたいと思っています。

もう一つ大切にしたいのは、健康・運動です。2022年はフットサル・ソサイチでボールを蹴る機会が全部で18回にとどまりました。コロナ以後では最も増えた一年になりましたが、それでもコロナ前の水準までは回復していません。

2023年は、年50回ぐらい(週1回ぐらい)はボールを蹴る一年にしたいと思っています。ボールを蹴る皆様、機会があればぜひお声がけください。


ということで、書いていたら少し長くなってしまいました。目標など、具体的に自分の中ではKPI化しているものも、ここでは少し抽象度を上げて書いてしまっているのでどうしても分かりにくい部分も多いかと思います。それでも、ニュアンスが少しでも伝わっていればうれしいです。

今年も多くの方にお世話になるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。


※カバー写真は12月に一人ワーケーションをした三井ガーデンホテル神宮前から撮った朝の富士山と新国立競技場


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