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4月10日

甘いものがとても好き。


今はもうない九品仏のケーキバイキング。好き。静かな街、踏切の音。桜の木が綺麗だった。
小さなそのお店には、五組くらいしか入れなくて、炎天下の中二時間並んだこともある。手作りのケーキは、ひとつひとつが宝石みたい。ありきたりな比喩、本当はきっともっとふさわしい言葉があるのに悔しい。キラキラしていて可愛くて、初めてマカロンが美味しいと知った。いちごのババロア、ガトーショコラ、色々なクリームの入ったエクレア、小さなシュークリームは皮がさくさく。出来立てのキッシュを食べる。嬉しい。友人はハーブティーを飲む、私は飲めない。でもハーブティーを飲む友人を見るのが好き。
好きなお店もきっといつかなくなる、ということ。でも私は、友人は、「好きだった」じゃなくて「好きだ」と言える。

シフォンケーキ専門店の場所を、知っている側の人間です。いちご、シナモン、チョコレート。あなたにならこっそり教えてあげてもいいよ。

高いクリームブリュレは美味しい、ということ。学び。プリンとは違うんだねぇ、ちゃんと中身がクリームで、上はかりかりなんだね。
スイーツは、いつでもどんな時でも新しい美味しさがあってすごい。(グルメ漫画みたいな台詞、なんか嫌ですね……)
クリームブリュレは、びっくりスイーツランキングに入ってもいいのでは? 三位くらい。一位はパフェ、と言おうとしたけれどパフェは少しずるだよね。本物のクリームブリュレを食べた時、なんでトロトロなの?なんでカリカリなの?ってきっとみんな驚いたでしょ。私はとても驚きました。

私が撮った写真よりもあなたが撮った写真の方が綺麗だね、ということは多く、何故ですか? と、聞きたい。私もパフェを綺麗に撮りたい。でも絶対に、目の前にある本物よりも綺麗に撮れることなんてないのだ。いつも。
夜パフェ、美しさと美味しさの融合に感嘆する。超した。パフェはいつだって上手く撮れないけれど、なんだかそれが良い。刹那的。一番綺麗な姿を見てから、溶けないうちに、私はそれを全部全部お腹の中に入れてしまう。ぐちゃぐちゃにかき混ぜる。赤、黒、白、全部混ざって綺麗ではないね、でも嬉しいね。
この日の気温は低くて、友人とコンビニのおでんを食べてから夜パフェに向かった。それがあまりにも楽しくて、楽しいことがたくさんあると私はかなしくなったりもする。不思議。
はかないね。また今度の約束をする、決してはかなくはなれない私ときみ。

これも夜パフェ。ひまわりのパフェ。チーズのこってりしたクリームには、バジルが入っていて、バジルとチーズと甘いものって合うんだな、という大きな発見。びっくり。
初めて食べた夜パフェの写真は、撮り損ねてここにないけれど、チョコレートとプラリネのパフェだった。プラリネ、は、ナッツをカラメリゼしたもの。星のかけらみたいだよね、って言ったら同意はされなかった。プラネタリウムの響きに似てるから? 私は安直。
パフェ、びっくりスイーツランキングにランクインするのはずるい。やっぱりずるい。毎回毎回違うパフェで、違う驚きがあって、そういうのはずるいと思う。悔しいな。

これもパフェ。うそ。でもほんと。

ぷるぷる揺れるわらび餅を見ていた。私は隣でパフェを食べていて、背の高いパフェは抹茶味ですごく美味しかった。それなのに、私もわらび餅を食べたかったな、なんて思って、最低。
透明、丸い、きっとひんやりしている。空から降ってきてほしい甘味ランキング、私の中の一位をあげた。

私が魔女になったら、毎日真っ赤な口紅つけて、毎日真っ黒なワンピースを着て、それで毎日こういうカップケーキを食べて過ごすね。甘いシロップにくたくたになるまで浸かったさくらんぼを、いくつも口に入れて、口の中まで真っ赤にして笑うから。
カップケーキは、小学生の頃夢見ていたスイーツで、中学生の頃も、高校生の頃も、実は食べたことがなくて、ハリーポッターでカップケーキが出てくるのを見るたびに、いつか絶対、いつか、って何度も誓って、大学生でやっと食べられた。だから夢の味がする。カップケーキは夢のお菓子。

あんみつ、果物や求肥、あんこと寒天、全ての割合が素晴らしい。夏を食べたらこんな味がしそう、すればいいのに。完璧。
鎌倉近くのあんみつ屋さんは、線路の横、隠れ家みたいな場所にそっと建っていて、全部全部夏だな、と思った。たくさん汗をかいて、服が湿っていて、冷房がキンキン、少し肌寒い、あんみつが来る、黒蜜をかける、甘くなる、蜜柑がとにかく甘い、あんこの配分迷う、さくらんぼと求肥は最後までとっておいて、豆と寒天を噛む、甘い、夏。夏だった。
夏も春も冬も、あんまり好きじゃないのかもしれない、とか思っていたけれど、夏に汗だくで食べるあんみつは好き。あとかき氷。かき氷は、ふわふわでお洒落なかき氷も、屋台のしゃくしゃくのやつもどちらも好きだ。舌が真っ赤になると嬉しくてついつい見せてしまう。真っ赤になるし、真っ青になる、かわいい。
動物園で食べたかき氷、一番おいしかった。暑かった。夏だから。冷たかった。甘かった。シロップが全部同じ味って本当? 分かんない。夏のこと、もしかしたら好きかもしれない。安直、単純。

ミルフィーユとミルクレープは造形美故に勝利、だと思います。すごく美味しいし。
特にミルフィーユは、食べにくい。食べにくいのにどうしても、ミルフィーユじゃなきゃだめな時がある。この写真のミルフィーユなんて特に、どうやってナイフを入れても四方にクリームが飛び出て、原型留めなくなっちゃって、それでも絶対にミルフィーユが良くて、選んだ。
上下で分けて、それぞれのパイにクリームをつけて食べる、という戦略で挑んだけれど、ミルフィーユ攻略は難しい。
だが、好き。

パンケーキ、溶けがち。怖い。すき。フレンチトーストも溶けがち。なぜ? すき。

一番すきなスイーツは?の答えはずっと前から決まっていて、プリン。絶対に。ケーキは?だと、モンブランやミルフィーユ、ショートケーキやガトーショコラで悩んでしまうけれど。スイーツなら、私はプリンが一等好き。
なかでも、柔らかいプリンが好きで、カスタードとろとろ濃厚な、なめらかな舌触りの……メイトーのなめらかプリン、が世界で一番好き。だからと言ってそればっかり食べているわけではなくて、老舗の固めプリンも大好きで。
プリンに関しては、好き、大好き、以外の言葉が見当たらない。カラメルも、好きだ。プリンって単語がまず好き。なに?ぷりん。口に出して言いたくなる。好きだから名前も好きなのか、名前が好きだから相乗効果的な好きなのか、もうよく分からない。
プリン、手作りが成功したこと、なし。一番好きなのにね。私が作ると全て無味になる。無味のムミン。一番作りたいお菓子なのに、一番作れなくてかなしい。いつかバケツプリンを作りたいけれど、習得が困難。頑張ります。
早く空から大きいプリンが降ってくればいいのにね。

最後!
特別なカフェの、特別なチーズケーキ。
コーヒーの香ばしいにおい、素朴で懐かしいケーキの数々。一年ほど行ってないけれど、そのカフェのことをいつでも思い出すことができる。思い出に自信がある。けれど、三年、五年、と経ったら、「そんなこともあったね」になっちゃうのかな。曖昧な。曖昧が、嫌なわけではない、が。
チーズケーキのタルト部分がけっこう固くて、勢いよくフォークで切ると毎回粉々に飛び散って、みんな、ふふ、って笑っちゃった。大好きな女の子は、いつもかぼちゃのタルトを選んで、私はほとんどチーズケーキ。たま〜にパウンドケーキを食べる。甘い記憶。

甘いものが、とても好き。

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