アイスのスプーン

同級生の男子が中学か高校のころ、
うちがやっていた模型屋にきて、
アイスを食べようとして、
おばちゃんスプーンちょうだい、
というので、
母が使い捨ての木のやつを出したら、
なんか最初から汚くて、
洗っても取れない、と母。
洗って取れねえなら、なめっても取れねえんだ。
と男子はゆっくり言って、そのスプーンを使っていた。
本人さえ覚えていないだろうけど、
わたしはその理屈と言い回しを長年覚えていて今も時々思い出す。
洗って取れないならなめっても取れない。
いや、厳密にはなにかが溶けだしている気がするのだが…。
信念の問題。

ちなみにその男子はいつも二人組だったけど、今も二人組で、
その二人組ごと、今も父の友達。
オタク仲間というか、年齢を超えて、
単なる親近感でつながっているんだと思う。
模型屋やってよかったね、と関係ないわたしまで思ってしまう。

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