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春なので

あっという間に四月だ。
このところ頭の中に流れている音楽は、
『春なのに』という柏原芳恵の昔のヒット曲。
子供のころ、いったいなにがあったんだろう、と思っていた。
というより、わからないことがあるんだというのを知らされた感じ。
制服を着てすごくかなしそうに歌っている若い女性歌手の姿は、
やっぱり忘れられない。
近所のお姉さん友達はみんな真似っこをして、なり切って歌っていた。
だからお姉さんたちの歌。
で、とっくに大人になってからも永遠に追い越せないまま、
毎年春になるとやっぱり口ずさんでしまう。
今年気づいたことを書いておこうと思う。

卒業だけが理由でしょうか、にあらためてびびります。
理由は卒業だけで充分で、両手に持ちきれないほどじゃないか。
でもその先を行っているし、言っているのだ。
ガーン。
そして記念にもらったボタンをその場で捨てるわけだが、(←言い方)
「青い空に」捨てるという。
これが同じ青、同じ二音でも「海」だったらどうなるかと思ってしまう。
海はだめ。海は絶対だめだ。
なんか、なんか、放物線が下のほうへ行くから。
あと仮に青い空に「投げる」でもだめだ。返ってくるから。
「捨てる」じゃなければならないです。
あーきれいな歌。

そして相手はそんな彼女の深い思いも苦悩もつゆ知らず、
向こうで友達が呼んでますよってうながされたり、
ところできみの話ってなんだったのって言ったりで、
これは斉藤由貴の『卒業』でもそうだけど、
なぜ女子はいつも男子のうんと先を行ってるんだろう。
たまには女子も現世の机にイニシャル掘ったり、
下級生たちに追いかけられ頭かきながら逃げ回ったりしたいだろうに。
(いや、したくないだろ別に。)

あとこの曲、宮本浩次のカバーがすごい。
最近たまたまアップルミュージックで聴いたのだが、
もうなんというか、すごくいい。
有名だろうから今更だけど、ぜひ聞いてほしい。
出だしのところからしばらく、宮本さんの声とは思えなかった。
こんな声も出せるんだなあと。
そしてサビへ向かっていくのが見事。
春なのに、の「は」がいい。
まっすぐ。まっすぐ。
ゆっくり。まっすぐ。
泣けてくる。
ルーファス・ウェインライトが歌う『Across the Universe』のカバーもそう。
まっすぐ入ってくる。
遠くまで届く歌声ってこういうことだろうな。

そしてここへきて初めて中島みゆきの作品だと知った。この歌。
今年知ったまじで。
びっくり。本当に。さすがです。
ごちゃごちゃ言ってすみませんでした。
卒業式は終わり、入学式シーズンの到来だけど、
まだまだ口ずさんでいく。
本当はカラオケに行きたい。


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