映えるくらいなら死んだほうがマシ

電車見たら飛び込んでしまいそうで歩いた家まで歩いたことのない道を1時間かけて歩いた。幸せそうな家族を尻目に自分の悲しみにさ酔いしれた。コンビニが明るくて車がうるさい。ダサい歩き方をして歩いた。橋の上から屋形船を眺めた。私の好きなピンク色に光っていた。中にはどんな人がどんな顔して乗っているのか。そんなことを想像しながら歩いた。左右に揺れるダサい歩き方で歩いた。どうにかして死にたかった。インスタのアカウントを消した。自分を消して300人の手を離した。精神科に電話した。どうしましたかと言われてなんと答えればいいかわからなかった。死にたいなんて言ったら迷惑だよなあなんて思いながら、必死に声を出して喋った。3件電話したけどどこもすぐには薬をくれないらしい。マックの袋を抱えたサラリーマンとすれ違った。マスクをしてなかったけど何故かニコニコしていた。彼が楽しそうならいいや。Twitterでリプが来た。選挙の準備をしている大人達がいた。彼らは幸せなんだろうか。人身事故が起きた。「珍しく早起きしたのに人身事故起きて遅れてるマジでうざい」そうストーリーに上げている女の子がいた。ペンキ塗りたての匂いが臭い。トラックに轢かれて7.8歳の男の子が亡くなった。私が死ねばよかったと思った。できるだけ道路の端をあるいて恥をさらした。ここからはみ出たら死ぬ気がした。工事のおじさんと子供が喋っている。楽しそうだ。誰も信じない。誰かの映えには加担しない。映えるくらいなら死んだほうがマシだ。

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