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若葉の峠(「道をひらく」より)

ー 峠から峠に移る旅路かな ー
いつ聞いたのか、どこで読んだのか、もうすっかり忘れてしまったが、この言葉だけは今も忘れずに、時折の感慨にフト頭をかすめてゆく。

一つの峠を越えてホッと一息ついたら、また次に峠が控えていて、その峠を越えると、やっぱり次にまた峠がつづいていて、だからとめどもなく峠がつづいて、果てしもない旅路である。

これも人生のひとつの真実である。真実であるかぎり、これは誰にも避けられない。避けられなければ、やはり懸命に歩むほかないであろう。

高い峠、低い峠、荒れた峠、のんびりした峠、さまざまの起伏の中に、さまざまの人生が織り込まれて、それで一筋の歩みのあとがついてゆく。
時には雨に降られ、風に吹かれ、難渋の重い足を引きずらねばならぬこともあろうが、また思わぬ暖かい日差しに、チチと鳴く小鳥の声をなつかしむこともあろう。

それでも元気で懸命に、越えられるだけの峠を越え、歩めるだけの旅路を歩みたい。
若葉の峠に、また新しい意欲をおぼえるのである。

・・・自分を応援するために・・・
この道をちゃんと逃げずに進もうと思う
腐らず、人のせいにせず、小さな感謝を忘れずに


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