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都市

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都市計画、建築について
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#都市哲学

帰ってきた、という感覚

新幹線は人間のこころの許容速度を超えていると思う。 数時間前まで数百キロ先にいたのに、もう戻ってきた。 飛行機はまず飛んでいる時点で理解の範疇を超えているので、浮ついた気持ちのまま瞬間移動した気分になれる。 新幹線は鈍行電車の延長のような顔をして地に車輪をつけて走るから、騙される。 こころが追いつかないが、ともかく帰ってきた。 この帰ってきた、という感覚は人によって違うと身に染みた。 地元のもつ空気は知らず知らずのうちに自分の中に多く含まれている。 故郷の駅に降り立

都市哲学もどき#5

こんにちは、だるまです。西村幸夫の『都市から学んだ10のこと』を読んで触発されました。 都市を学ぶことと写真を撮ること 「都市の写真を撮る」とは「意図的に空間を切り取る」という街に対する能動的な行為を含んでいる。 何を切り取りたいか考えることは、都市の魅力を探していることに等しい。 どんな構図でシャッターを切るか、常に周りの環境を見つめ、歩く。 目的地のために移動する時、街はその姿を隠して黒子となっている。しっかり対象として見つめなければ、街の魅力は見えてこないと思

だるま氏、京都をやや都市論的にさまよう|京都ぽんぽこ日記②

こんにちは、だるまです。都市を学ぶ大学生らしく、京都という都市について考えながらさまよいました。 旅行中に思索にふけったのは初めてであり、その原因は旅の前に鷲田清一の『京都の平熱』と小山薫堂の『ライカと歩く京都』を読んだからです。 都市哲学もどきの番外編として、「都市論的」に考えたことをつらつら述べようと思います。 観光と聖地巡礼 観光とは、イメージの再確認である、とよく言われる。 いわゆる京都「らしさ」を求めて、私たちは京都を目指す。 着物を着て、産寧坂を歩いて、演

都市哲学もどき#4

こんにちは、だるまです。 都市を語る会vol.4に参加できなかったため、議事録を読ませていただき、考えを発散させることにしました。そういえばvol.3について書いていなかった。 さて、テーマは「街歩き」についてだったようです。 (まちあるき、街あるきなど色々ありますが、街歩きに統一します。) 街歩きはネットで十分? 議事録に、「Googleマップのストリートビューで街歩きは十分ではないのか?」という文言があった。 おもわず「へ?」と言ってしまった。それくらいびっくり

都市哲学もどき#3

こんにちは、だるまです。 都市哲学もどきも3回目になりました。#2はレポートが進まな過ぎて血迷った雑文でしたが、今回は「都市を語る会 vol.2」の振り返りです。 どんな空間が好きか? 建築が好きな友人は、背景のある建築物が好きだそうだ。 だるまも、歴史がある空間が好きだ。ハリボテの空間は好まないといったら、あまり伝わらなかった。本物らしくした、ちゃっちい空間のことを言いたかったが、そういうところが好きな人もいた。 歴史も時間の蓄積にすぎないので、今のハリボテも将来

都市哲学もどき#2

こんにちは、だるまです。 レポートに求められている趣旨と、自分の書きたいテーマが齟齬をきたしはじめたので清算します。 前回は「都市を語る会」で話した内容をつらつらと書きました。第2回が開催されるようで、楽しみです。 断章 さて。ブツブツと話題が変わります。「断章」というと許されるらしい。 都市や都市計画を語るうえで近頃欠かせないテーマが、人口減少と少子高齢化です。 そもそも、人口拡大と工業化による都市への人口流入、経済成長の文脈で、「いかに都市をコントロールするか」