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世界第30位に輝いたメルシャン椀子ワイナリーに行ってきました!

 2020年11月21日土曜日 長野県上田市にあるメルシャン椀子(まりこ)ワイナリーに行ってきました。

 シャトーメルシャンのワイナリーは、山梨県の勝沼、長野県の桔梗ヶ原、そして2003年から栽培スタートしたこの椀子の3つがありますが、なんと椀子は2020年7月に発表された「ワールドスペシャルヴィンヤード」で世界第30位に選出されたのです。

 ちなみにこのランキング、世界各地のワイナリーの有名なところでは、オーパスワンが20位、シャトーマルゴー22位、シャトームートンロートシルト33位、などが選出されています。ワインの質のみならずワイナリーの環境・景観・建物、訪問者の受け入れ態勢など総合的に評価されたもので、1位のアルゼンチンのズッカルディヴァレドウコ、2位のボデガガルソンなど「行ってみるべきワイナリー」と推薦されていますが、南米や欧米にはちょっと気軽に行けない(そもそも国外に出られない)今こそ、椀子ワイナリーに行ってみるべしと日帰りの計画を立てました。

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 朝6時52発の北陸新幹線で東京駅から上田駅へ。グランクラスの様子。(これはちょっと潜入して撮影してきただけでございます。豪華車両には誰も乗っていませんでした。)

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 椀子ワイナリーの見学会は1日10名だけの限定で10:40スタートです。まずは「しなの鉄道」で最寄りの大屋駅まで移動しますが、上田駅10時01分発大屋駅10時06分着の快速に乗車予定なので、それまでは駅から徒歩10分にある上田城跡櫓見学・真田氏の資料を集めた博物館などで戦国時代に思いを馳せてすごしました。

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 大屋駅前10時22発の路線バスで椀子ワイナリー前まで300円(タクシー利用だと3500円ぐらいかかっちゃう)丘の上まで行きます。


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 椀子ワイナリー到着。見慣れた日本のぶどう園の「棚式」とは全然違う「垣根式」のぶどう畑。ここはブルゴーニュかボルドーかと錯覚する景色が拡がる。

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 見渡す限り周囲には山山山…浅間山、八ヶ岳、蓼科山。

 椀子は以前は桑畑だったが養蚕業の衰退後荒廃して放置されていたとのこと。しかし、

高地で寒冷にもかかわらず雪が積もらない

四方を山に囲まれて台風も逸れる

年間2800時間の日照量

常に風が吹いており毎日15時過ぎには特に強く吹き湿気を飛ばし乾燥させる

などの気象条件や、

強粘度の土壌

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ぬかるむと重くなる土壌は、乾くとタイヤの轍がくっきり残っている。

そして東南に向かって下っている地形

「これはワイン作りに最適!」とチャレンジ開始したメルシャンさんの目利きは凄い。

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見学メンバーは首都圏からの参加者が多かった。

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 2019年に完成し稼働開始した工場。それ以前は椀子で収穫したブドウを2時間半かけてトラックで山梨勝沼の工場へ運んでワインにしていたが、「その運搬のあいだにもブドウを傷めてしまったんです。この椀子工場で収穫後すぐに除梗・破砕・圧搾ができるようになりました!」という言葉にブドウへの愛と情熱を感じます。

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「たった5人の社員で工場を回しています」というお忙しい中、丁寧な解説をして下さる。

 工場は自然の地形を生かして作られています。上階で絞ったぶどう液は静かにタンクに落ちて貯えられ、下階で発酵の段階に進むようになっています。突き当たりに見える大きな絵画のようなカラフルなのは、建物裏に広がる収穫の終わったぶどう畑の景色。

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 木樽はフレンチオーク。買う前に内側を焼いてもらうのだが、焼き具合7段階のうちメルシャンはミディアムに焼くように発注しているとのこと。オークの産地はリスクヘッジのためミックスにしている。価格はひと樽10万円で10年で廃棄する、毎年100樽交換するのでそれだけで1000万円かかる。

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 さていよいよお待ちかねの試飲タイム。2階のテイスティングラウンジもテラスも、とても居心地が良い空間です。

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 プレミアムツアー3,000円で試飲できる白4種・赤2種。コロナ前はリーデルのグラスで試飲していたけれど今はプラスチックカップ。でも一杯ずつの量は以前より多く注ぐようにしているとのこと。

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 シャルドネの「アンウッデッド」木樽を使わないでステンレスだけで仕上げたものだけど、柑橘系・フルーツの香りが複雑で素晴らしくて感動します。

 イチオシは「シャトーメルシャン北信右岸シャルドネリヴァリス2017」

色合い:やや緑がかったイエロー

香り:パイナップル、マンゴー、パッションフルーツなどのトロピカルフルーツのほか、グレープフルーツのような柑橘系、そしてヴァニラ・アーモンド、バターが追いかけてくる。余韻にミネラル感。

テロワール:水はけの良い砂礫質土壌・鉄分も多く含まれる、標高430~600メートル、年間降水量1419mm、年間日照時間1887h、千曲川の右岸:高山村、須坂市、

ヴィンテージ:2017年は3月まで雪解けは進まず4月は降霜、萌芽は前年より5日遅れ。5月以降は暑い日が続く。梅雨明け以降曇天降雨で日照不足となるも夏季剪定により風通しを良くし生長を助け、糖度の上がるのを待ち平年より2週間遅れて収穫。

1本7,200円という定価ですが、本当に美味しいと思いました。

 椀子はシラー種の赤ワインが世界的に評価されています。「シラーといえば胡椒のようなスパイシーな香りが特徴とされます。それは黒胡椒のことが多いのですが、椀子シラーは白胡椒の香りなのです」

椀子シラーを購入して持ち帰りたかったのですが、ツアー終了時刻12:10のあと、大屋駅12時32分発のしなの鉄道に乗りたかったのでタクシー手配を急いでいたもので、結局買うことがなくワイナリーを後にしたのが心残りでありました。


以下はおまけ画像

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小諸駅から徒歩3分。懐古園前にある老舗「草笛」のお蕎麦。普通盛りでもたっぷりでお腹いっぱいになる。大盛りだと850gという麺の量だそうです。

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小諸から小海線に乗ってみました。14時33分発の特別列車は途中「野辺山駅」で16分間停車します。JRの駅としては最高標高地点で、おもいおもいに撮影タイムを楽しみます。

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鉄オタクンが沢山乗車していた。

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清里「ROCK」で地ビール6杯セットを試飲してみました。

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 清里も小淵沢も、なんだか寂しい街になっちゃっていてびっくり。1980年代は原宿竹下通りみたいに人でごった返していたのに。


 これからの町おこしにはやっぱり「ワイナリー集客」しかないんじゃないかと改めて考えてしまいました。


 甲斐大泉駅前の「パノラマの湯」に入ってぽかぽか温まり、

東京への復路は20時12分小淵沢発新宿ゆきの「あずさ58号」。

日帰りワイナリー巡りは癖になりそうですよ。

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