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就職・公務員・技術士試験対策におすすめ!―—近刊『演習 土質力学』まえがき公開

2022年12月中旬発行予定の新刊書籍、『演習 土質力学』のご紹介です。
同書の「まえがき」を、発行に先駆けて公開します。



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まえがき
本書は、土質力学を学ぼうとする人たちを対象に、演習問題を解いてもらうことでその学びを助けられるよう、150問を超える問題と解説から構成されている。

「土質力学」は、土木・建設工学を学ぶなかで「構造力学」「水理学」とならぶ重要な力学であり、これら三つをあわせて土木の3本柱ともいわれている。そして土質力学は、土木構造物を支える基盤となり、社会インフラの整備の設計・施工・維持管理において、必要不可欠な学問である。さらに、周りを海に囲まれ、火山国でもある日本の特殊な地盤で建設工事を行うためにも必須である。最近では、地球温暖化にともなう気象の変化によって大型化する台風、集中豪雨や、大地震などによる土砂崩れ、土石流、斜面崩壊、液状化に対する防災や災害復旧においても、土質力学に関する知識と技術は、ますます重要な役割を果たすことになる。

土質材料は、粒状で水と空気が介在することから、金属やコンクリートのような材料に比べると、数学を用いて工学的に取り扱い、設計による安全性を確認することが非常に難しい。土質力学を理解するうえでは、さまざまな演習問題を解くことが重要であると考えている。

建設に関わる技術者が土質力学を学ぶことになるのは、土木分野のある大学、高専、専門学校である。そういった学校の講義で用いられるような、土質力学の教科書は数多く発行されている。しかし、演習問題を多く掲載し、その解き方を詳しく解説した演習書は少ない。そこで本書では、著者が福岡大学の講義で利用した演習問題をとりまとめ、詳しく解説した。土質力学を学ぶ人たちが、講義の補助や、就職・公務員・技術士試験などの対策に本書を活用していただければ幸いである。

(以下略)

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著:佐藤 研一(福岡大学)

手を動かして、必須事項を理解する!
土木工学の基礎をなす土質力学を、具体的な問題を数多く解くことでしっかりと身につけるための演習書です。
 
解答や解説をていねいに示しており、さらにきちんと理解するための「考え方」「Point!」「Memo」を随所に盛り込んでいるので、独習に最適です。
 
講義の復習や、公務員試験・技術士試験・就職試験への対策として、おすすめの一冊です。


【目次】
第1章 土の生成と調査

 1.1 土の生成
 1.2 地盤調査

第2章 土の基本的性質
 2.1 土の粒度
 2.2 土の基本的物理量(基本式の確認)
 2.3 土のコンシステンシー
 2.4 土の分類

第3章 土の締固め
 3.1 土の締固め
 3.2 締固めエネルギー
 3.3 締固め試験の結果の扱い方
 3.4 道路の舗装(CBR)

第4章 土の透水性
 4.1 地盤中の水の流れ
 4.2 水頭,動水勾配,ダルシーの法則
 4.3 室内透水試験
 4.4 現場透水試験
 4.5 流線網
 4.6 互層地盤の水の流れ
 4.7 浸透破壊現象

第5章 有効応力
 5.1 地下水と有効応力
 5.2 互層地盤の有効応力
 5.3 応力分布図
 5.4 浸透流がある場合の有効応力

第6章 粘土の圧密
 6.1 圧密現象を捉える
 6.2 沈下量の計算
 6.3 圧密理論,圧密度・圧密時間の計算
 6.4 現場での沈下現象を捉える
 6.5 圧密試験

第7章 土のせん断強さ
 7.1 せん断応力とモール円
 7.2 一面せ 三軸圧縮試験ん断試験
 7.3 三軸圧縮試験一軸圧縮試験
 7.5 砂と粘土のせん断特性
 7.6 ベーンせん断試験

第8章 土圧
 8.1 土圧理論
 8.2 ランキン土圧
 8.3 クーロン土圧
 8.4 擁壁の安定
 8.5 矢板に作用する土圧と根入れ深さ

第9章 地盤内の応力分布
 9.1 集中荷重
 9.2 線状荷重
 9.3 さまざまな形状の荷重
 9.4 盛土荷重(台形帯状分布荷重)
 9.5 ボストンコード法と修正ケーグラー法

第10章 地盤の支持力
 10.1 支持力と基礎
 10.2 浅い基礎
 10.3 深い基礎

第11章 斜面安定
 11.1 斜面安定の基本事項
 11.2 直線斜面の安定性
 11.3 テーラーの安定図表
 11.4 分割法
 11.5 複合すべり

第12章 総合問題

総合問題略解
参考文献
索引

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