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#591 相手との共通点に目を向ける

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さぁいこう!」

これは多くの人が知っている、大谷翔平選手によるスピーチだ。WBC決勝、アメリカ戦の前にロッカールームで行われたこの短いスピーチは、素晴らしいペップトークであるともされている。

憧れるというのは、無意識に相手を格上だと認めてしまっていることになる。憧れのまま相手と対面したとき、畏怖の念からパフォーマンスを最大に発揮することができない可能性が高い。それを取り払うスピーチとして、この内容を大谷選手が言ったということが大きな意味を持つ。

子どもたちに「憧れるのをやめよう!」とか「怖がるな!」と言って、そのとおりにできればそれでいい。しかし、どうしても相手が格上だというイメージが抜けきらない場合には、相手との共通点を見つけるようにするといい。背丈は同じぐらいとか、打球の速さは同じぐらいとか、男子であるとか女子であるとか、同じ小学生であるとか中学生であるとか、究極的には同じ人間である、とか。相手を自分とは違う"ナニカ"だと思うのではなく、コートに立ったからには同じソフトテニスプレーヤー。実績や実力は、その前提条件には関係ない。

イメージと戦うのではなく、目の前の相手と向き合おう。

(了)

○この内容をもとにお話したstand.fmの放送は、こちらから聞くことができます


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