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#497 人生に失敗なんて無い

戦略的に選択して勝てる勝負だけを挑むのと、最初から勝てない相手と決めつけて勝てる相手にだけ強気になるのは違う。

ビジネスのように、自分の勝てる分野を見極めて勝負して結果を残しにいくのと、スポーツのように対面で向かい合って勝負するときに、目の前の相手との対戦を始めから諦めて逃げるのとではわけが違う。

同じようなことを2回述べてしまったが、子どもたちと関わっていて、相手が歳上だったり見た感じ強そうだったりすると、はじめから勝負を諦めてしまったかのような試合をしてしまう子が多いなと感じる。

気持ちはわかる。僕も中学生のころ、顧問の先生やご父兄のつながりで大人の方や高校生の方と試合をさせてもらうことがあった。ボールは速いし重いし、どう考えたって相手の方が強い。でも逃げたら怒られるし、なんとかかんとかやっていたという覚えがある。

今になって思えば、あのときの経験はとても貴重な機会だったんだなと思うことができるけれど、そのときは正直嫌だった。ただ、間違いなく言えるのは、格上相手だろうと負けたら悔しかったし、次は勝ちたいと思っていた。

今、世の中は失敗を避ける傾向が如実に強くなっているという。キングコングの西野亮廣さんが絵本「えんとつ町のプペル」を無料公開したのも、中身のわかっている絵本だからこそ消費者が失敗なく選べる仕掛けになって本の売上に繋がったような話をされていたし、実際今では本や漫画などはある程度まで無料で読めて全体が読みたい人の購入につなげる手法が当たり前のように行われている。

限られた時間や労力、なにより資金の中で、失敗のない買い物や経験を選んでいくのは、今の時代において賢い方法だろう。ただ、スポーツなどの勝負においては、それが必ずしも当てはまるものではないように思う。勝てるとわかっている勝負だけをする、というのであれば、いつまでも現状からステップアップできないだろうし、達成感とも無縁だろう。いかにして立ち向かっていき強い相手に一矢報いるのか、勝つのか。それを考えたり努力したりするのが、スポーツから得られる学びの中でも大きなものだと思う。

子どもたちが失敗(厳密に言えば死ぬこと以外は全て次に繋がる経験で、失敗など存在しない)を恐れて逃げないようになるためには、我々大人が失敗から逃げないようにしていくことが大切。そして、“失敗”と呼ばれることに対して非難したり否定しない。何を得ることができて、何をしていったらいいのかを考える。そんな循環が生まれたらいい。

人生に失敗なんてない。


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