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#587 ゆっくり動く、じっくりやる

今回の要点

  • ミスが出たり相手にリードを許すと試合を進めるテンポが速くなる

  • 速く動くことは緊張感を高める

  • 緊張が過度に高まっているときはゆっくり動くように意識する

  • 緩みすぎているときは、逆に速く動くようにする

  • 「間」の確保も試合における大切な駆け引きの一つ

「ヤバい」となると、試合を慌てて進めてしまう

子どもたちの試合でのあるある。ミスが続いていたり相手にリードを許してしまったとき、あるいは、そう毎回出ないようなスーパープレーが相手から飛び出したとき、慌ててしまって速いテンポで試合を進めてしまうことがよくある。一呼吸置けばいいのにさっさとサーブレシーブの構えに入ってしまう、ペア同士でハイタッチもしない、なんなら目も合わさない。いっぱいいっぱいになって行動から余裕がなくなっているのがよくわかる。

これを放置すると、ミスを連発してポイントやゲームを落としたり、そのまま負けてしまったりする。間にチェンジサイズなどを挟めばそこで一息つかせることもできるのだが、小中学生の試合で採用されやすい5ゲームマッチでは2回目のチェンジサイズができないまま終わってしまうこともよくある。

速く動くことは緊張感を高める

行動を速くすることは、脈拍を上げ緊張感を脳に伝えてしまう。結果、過度な緊張状態になってしまってパフォーマンスが下がり、落ち着いていれば問題なくできるプレーなどもミスに繋がってしまったりする。典型的な自滅のパターンだ。

おおよそ不利なとき、それは相手にリードを許してしまっているときはもちろん、リードしていたのに追い上げられているときも同様だが、こういったときはあえてゆっくり動くことを意識するよう選手には伝えている。じっくりやろう、一呼吸入れよう、など、とにかく間を上手く空けることが効果的だ。

逆に、気が緩みすぎているときはあえて行動を速くするように促して、一定の緊張感を与えるようにしている。そういうときはたいていダラダラと歩いて行動しているので、走って動くように声をかけるなどしている。緊張は高すぎると良くないが、緩みすぎているのも考えものだ。良いパフォーマンスは、適度な緊張感が保たれている状態から生まれる。

技術的・戦術的な意味で相手から時間を奪うプレーも大事だが、メンタル的な意味で上手に時間を使う、作るのも試合における駆け引き。呼吸をゆっくり吐く、歩いて動く、あえてペアで寄る、など、選手が自分でできる間の作り方を予めインプットしておくと、チェンジサイズを待たなくとも選手自身で緊張感のコントロールができるようになるだろう。

(了)

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