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#595 もったいない!セルフハンディキャッピング

練習会での一幕。ゲーム形式練習を始める際に一人の子が「サーブ入らない気がする」と話していた。実際、その日のゲーム中はあまりサーブの成功率が良くなかった。自分が言った通りの結果になったわけだ。

あまり練習していないから実力が発揮できない、あまり勉強していないからテストで点数を取れない、などのセリフは、誰しも一度は使ったことがあるのではないかと思う。このようにあらかじめハードルを下げるような言動を「セルフハンディキャッピング」と呼び、デメリットの大きい行動として知られている。

練習不足だから試合で実力を発揮できなくても仕方ない、勉強不足だからテストの点数が悪くても仕方ない、サーブが入らない気がすると言ってあるのだから入らなくても仕方ない。そのように言っておけば、実際に結果が悪くても自尊心は傷つかなくても済む。ある意味、心の防衛本能なのかもしれないが、実際にはよい結果を出すために本番で最善を尽くす意欲に繋がりにくい状態を作り出してしまい、本当に実力を発揮できない結果を招いてしまいやすい。

あらかじめ予防線を張って結果が悪いのと、それをせずに最善を尽くしてそれでも結果が悪いのと、本人からすれば前者のほうが自尊心が傷つかずに済むかもしれないが、周囲から見たときにはどうだろうか。僕なら、やるだけやってそれでも上手くいかなかった人を称えたいし応援したい。

セルフハンディキャッピングを減らすため、周囲の関わりのポイントは二つ。一つは、セルフハンディキャッピングをすること自体がかっこいいものではないということを伝えて理解してもらう。そっちのほうがみっともないんだということを、丁寧に伝えること。もう一つは、本人なりに最善を尽くした結果を否定するようなことを言わないこと。最善を尽くしたのに責められるのであれば、本人からしたら精一杯やることがバカバカしくなってしまうし自尊心の低下にもつながる。セルフハンディキャッピングは、そもそも自尊心の低さから現れる行動だともされている。

もったいないセフルハンディキャッピングを減らして、みんなができるだけ最高に近い実力を発揮して、周りがそれを認められる環境を作っていきたい。

(了)

○この内容をもとにお話したstand.fmの放送は、こちらから聞くことができます


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