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『ゴッホの世界観に身を投じ五感で絵画を鑑賞できる展覧会『ゴッホ・アライブ』にあらためてVRの可能性を感じる』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.1.26

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■ゴッホの世界観に身を投じ五感で絵画を鑑賞できる展覧会『ゴッホ・アライブ』体感ルポ!

現在、東京で開催中の『ゴッホ・アライブ』は、最新のテクノロジーを駆使した没入型の展覧会。クラシック音楽が流れ、ゴッホの名作が巨大なスクリーンに再現され、全身で絵画の世界を体感できるまたとない機会となっている。その様子をお届けする──

「見てみたい」ではなく「体験してみたい」と思わされるのが、この「ゴッホ・アライブ」です。

『ゴッホ・アライブ』
場所:寺田倉庫G1ビル
会期:3月31日(日)まで
住所:東京都品川区東品川2-6-4
時間:10時~18時(最終入場17時) 
休館日:無休
公式サイトはこちら

VRやメタバースのリアル版のようでもあり、きっとVR側を意識してもいるのだなぁというメタ的な構造にも興味をそそられます。

また、今後のVRギャラリーのお手本にもなりそうです。


まるでゴーグルなしのVR体験

 四方の壁や柱、床がスクリーンとなり、ゴッホの作品が迫力たっぷりの特大サイズで映し出されていく。

 作品によっては鳥が飛んだり、雨が降ったりするなど動画を組み合わせた臨場感のある演出も加えられ、ゴッホが見ていた風景にぐいぐい引き込まれていく。所要時間はおよそ45分。

絵画作品はホンモノを見ることに価値があるとよく言われますが、この展示では壁や柱にプロジェクター投影された巨大サイズの絵を鑑賞します。

通常の絵画展示と違い、大きさを身体的に感じたり、鳥や雨の動画と組み合わせたり、

さらに会場にはフランスの田園地方の暖かさをイメージさせるようなアロマの香りが漂い、ゴッホの世界観にどっぷりと没入できるアート体験が可能となっている。

とアロマの香りも使って、より現場体験の臨場感を高める工夫をしています。

見ているものはプロジェクター映像ですから、言うなれば没入感をVRゴーグルなしで体験できるイベントのようでもあります。


VR似だからこそVR以上のことを

しかし、VRゴーグル越しではできない体験を追求しているようにも見えます。

会場に行く、会場内を歩く、近づく、部屋の温度を感じる、他の来場者の存在を感じる、などの体験はギャラリーならではのものです。

タバコの煙は動画で動かす演出が施されています。実物のゴッホの絵ではできないことも追及されています。

また先述の「フランスの田園地方の暖かさをイメージさせるようなアロマの香り」はVRにはできない演出です。

実物展示よりもVRよりも体験的にしようとしている演出のメタ感がたまらないと感じます。


ストーリーを共有させる心理的没入も丁寧

 会場で最初に登場するのは、壁にずらりと並んだパネルの展示だ。パネルごとにゴッホの代表的な作品がひとつずつ紹介されていて、当時の状況や制作の背景を知ることができる。これによって作品に対する理解が深まると同時に、ゴッホがどんな人物だったのか、その人となりも見えてくる。

また、ゴッホのストーリーを理解するパネルから展示が始まるところも秀逸です。有名な作家ではありますが、感情移入できるほどゴッホのことを理解している人は多くないかもしれません。来場者の見る目や知識を一定以上にしてから、さて巨大展示へといざなう流れはとても大切です。

スポーツ観戦でも、この試合がいかに大事なのかのストーリーを知って見るのと、単なる1戦として見るのとでは、心理的な没入感がまるで違います。


思い出を体験として記録する工夫も

 また、会場には代表作のひとつ≪アルルのフィンセントの寝室≫を絵画のまま再現したフォトスペースも登場。単に記念写真を撮影できるだけでなく、作品の中に入ることができ、モチーフとなった寝室を自分好みの角度から鑑賞できるのは、ここだけのマジカルな体験だ。

作品の中に入り込んで記念撮影できるような仕掛けも用意されています。これも体験と思い出をセットにして記憶にとどめるのによい仕掛けです。


VRはもっと上を目指せるか

身体的な体験はやっぱり強いなぁと思わされますし、技術で体験を拡張する試みもとても興味深く思います。

VRで「ゴッホ・アライブ」を超える体験は、きっと実現できるはずです。

絵に入って記念撮影するだけでなく、物語の中に入り込むこともできますし、展示の数も無限大です。空からでも水中からでも鑑賞できますし、ゴッホが生きていた時代や生きていた場所の中で展示を見ることもできます。

そんなVRギャラリーなら是非体験してみたい。最近また少しVR界隈が明るくなってきている兆しを感じる中で、「ゴッホ・アライブ」はVRギャラリーのよいお手本だなぁと感じましたし、VRはもっと行ける、とも感じました。

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