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『AI版ネトフリが誕生、すべて生成AIが作ったコンテンツ番組を配信』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.6.10

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■AI版ネトフリが誕生、すべて生成AIが作ったコンテンツ番組を配信

 サンフランシスコのスタートアップ企業「Fable Studio」が立ち上げた『Showrunner』は、世界初のAIによって制作される映像配信プラットフォームだ。

「AI版ネットフリックス」というパワーワードが強烈です。
要するに、生成AIで作られた映像コンテンツの配信サイトです。

OpenAIが高性能な動画生成AI「Sora」を発表し、先日はそのSoraを超えたと話題の「KLING」が中国企業のKuaishouから発表されました。

こんなすごい動画生成AIが今後登場してくるとなれば、映像作品をAIで作ってみよう、作ったAI製の映像作品を集めて配信してみようという流れも確かにあり得るなと思います。

今の生成AIでは映像作品としての完成度は低いのですが、AIならではの進化を追求していくと、案外バカにできないものになる可能性を秘めているのではないかと思います。


今はまだ「AIが作った」が注目される時期

近い将来、AIで作ったのか、人間が作ったのかに意味がなくなると考えていますが、過渡期の今は「AIで作った」ということ自体に注目が集まります。

裏返して、アンチAIを標榜し、AIを使わず人間が作成したことを重視することにも注目が集まります。

「Cara」は人間のみが投稿できるアートSNSです。コンテンツをAIのトレーニングから保護する「Glaze」を組み込むなど、「人間が作った」ことを非常に大切にするポリシーがクリエイターに支持されています。

日本経済新聞は専門家の協力を得て約9万枚の画像すべてを調べ、原作のアニメ画像と複数の特徴が似ている約2500枚を抽出して詳しく分析した。

AIが権利侵害を犯す画像を生成することを問題視した日経新聞の調査報道と特設サイトも話題になっています。クリエイターがAIによる権利侵害を懸念するのは当然であろう状況がよくわかります。

一方、人間のクリエイターも生成AIの力を借りて作品制作を行うことが増えることもおそらく間違いありません。アイディア発想の手助けを得たり、アニメーションの中割処理を自動化したりなど、特に仕事のシーンではAIをうまく活用することがクリエイターに求められるようにもなるでしょう。

そうなると、人間が作ったものとAIが生成したものの間がグラデーションになっていきます。

AI版ネットフリックスを称する「Showrunner」はパッキリとAIで生成した作品群であることを売りにし、「Cara」はAIを拒絶することを売りにしていますが、映画やテレビ、CMやゲーム映像など多くの人が自然と接するメディアでは人間だともAIだとも言わない中で、実際にはAIの力を借りたクリエイティブがたくさん流通するようになるでしょう。


ひところの「CG」に近い感覚

人間製かAI製かに注目が集まるのは、今だけだろうと思います。
ひところの「CG」に近い感覚です。

CG映画だということ自体が注目され、CGらしい表現が受けていた時代がありました。しかし今は実写さながらのCGが当たり前になり、CGだからということが注目されることはほぼなくなりました。

AIも遠からず同じ道をたどるはずです。


AIでストーリーをパーソナライズは実現できるか?

ドラマのエピソードを全部見終わったら、次のエピソードを作るボタンをクリックするんです。どういった内容にしたいのか指示することもできるし、AI自身に作らせることもできます

それでも、AIならではの進化の仕方はあり得るでしょう。
この「Showrunner」では、AIの進化で視聴者ごとにストーリーを分岐させる楽しみ方を提供することが検討されているようです。

今のAI技術ではストーリーが破綻しがちで、デモ作品として公開されている「生きる 死ぬ」も、ビジュアルはKEN ISHIIの名作PV「EXTRA」を彷彿とさせる世界観ではありますが、ストーリーは訳が分かりません。

 だが、Showrunnerの真価はそこから先にある。サーチCEOによれば、エピソードをもっと増やしたいと思ったユーザーは、プロンプトで台詞を編集し、物語をさらに展開させることができるという。

 もしも優れたエピソードを作って人気が出れば、クリエイターにはその収益が分配され、IMDB(映画・テレビ番組・ゲームといったコンテンツのデータベース)に製作者として名前が記載されることになる。

AIによる自動生成だけではまだ見るに堪えない映像作品しか作れないため、プロンプト編集を人間に介在させることで解決することが試みられるようです。

結局、AIなのか人間なのかというよりも作品自体の完成度で評価されるだろうとは思いますが、人間がAIを支援することで「人間に受け入れられる映像やシナリオはどのようなものなのか」を学習させることにもなるかもしれません。

視聴者の数だけパーソナライズされたストーリー分岐が起きるドラマは、うまくいけば確かに革命的で、かつAIにしかできないものでしょう。

AI製であることが注目される今だけに限られたものになるのか、実際にAIが進化してリアルタイム自動生成が当たり前になるのか、10年後か20年後あたりの答え合わせが楽しみです。

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