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『「建設会社の社長がChatGPTに間取りを描いてもらった」アウトプットAIの充実がAI普及を本格化する』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.4.10

■建設会社の社長がChatGPTに間取りを描いてもらった

まだまだ実用には程遠いですが、ChatGPTはすでに空間の概念をもっている模様です。引き続き、どのようなプロンプトを使えば間取り図程度を作れるようになるかトライします。ちなみに、GPT-4はデフォルトで建築基準法も理解しています。

ChatGPTは文章やプログラムコードなど「テキスト」を書くための用途がメインですが、Stable DiffusionやDALL・E2など画像生成系AIにうまく絵を描かせるためのプロンプトをChatGPTに書かせて、最終的に画像や3Dデータ、動画を得るという使い方が広まりつつあります。

画像や映像を生成するAIはビジュアルを生成するため文字通り「目立つ」のですが、実際のところ多くの人にとって画像や動画を作らなければならないシーンは多くなく、結果的に日常生活で実用性を発揮するChatGPTによってAIが爆発的に流行ったという印象を持っています。

今回ご紹介するのは建築の間取り図をChatGPT「のみ」で描かせようとしている建設会社社長の実験です。


ChatGPT単独で間取り図は描けるのか?

最終的なアウトプットは間取り図というビジュアルなのですが、このトライをしている千葉県成田市の建設会社を営まれている平山秀樹さん

ArchiCANのGDLだの、Pythonだの、経由して #ChatGPT にJavaScriptで間取り図を作成させる方法

で、作画機能のないChatGPTのみで間取り図を描かせています。

先述のようにStable DiffusionやDALL・E2など画像生成系AIというアプリケーションレイヤーのサービスとして間取り図生成AIサービスがあれば、それ用のプロンプトをChatGPTに書かせるだけで済みます。しかしそのようなサービスがない現状、作画させる方法から編み出さなければならない苦労をされています。

本題である「ニーズに合った間取り図、家の空間設計をAIで行う」部分は、結果的にまだまだ難しいという結論に至っています。

間取りアイディアをChatGPTが自動生成することはできず、結局具体的な間取りを指示してその通りに作画させるだけに留まりました。AIが間取り図の案を生活シーンやニーズに応じて複数パターン提案してくれるという理想形はまだ遠いようです。


間取り図AIなどアウトプットサービスの拡充ニーズ

間取り図が図面データとしてインターネット上にあまり流通しておらず、かつピンポイントな需要なのでAI開発がまだ行われていないのが現状です。

裏返すと、この「間取り図AI」の部分のニーズがはっきりしてくると専門的に開発する人や企業が現れやすくなります。

「間取り図」のパターンや建築部材情報、施工手順情報、法律情報などを専門的に学ばせることで建築業界に重宝されるアウトプットAIが完成するはずです。

プロンプト生成部分はChatGPTなどテキスト系AIを入力インターフェースや中間処理のために使うことを前提にすれば、アウトプットAIが比較的早期に開発できるようになります。

ChatGPTはテキスト仕事しかカバーできないと考えられていたAIに対する理解も、アウトプットAIのバリエーションが増えることで急速に捉えられ方が変わるでしょう。


「漫画AI」「演劇AI」「都市開発AI」なども実現?

漫画を1コマずつの作画ではなくコマ割り・ページ割りから制作し、キャラ設定・ストーリー・セリフまで完全にAIで作れる「漫画AI」、

演劇の舞台上で役者の配置と動き、セリフ、大道具・小道具、ライティング、場面転換など空間演出も含めてAIで完結し、3Dデータ・時系列データ・台本などを生成してくれる「演劇AI」、

現在の街並みと人の動きを元データに都市の再開発プランをAIにまるごと設計させる「都市開発AI」、

など、ひとつのAIではできなかっただろう大規模な生成行為が、人間がこれまでやってきた一連の作業フローの個々をAIに置き換え、AI同士を組み合わせていくことで実現する道筋が見えてきそうです。

今はChatGPTが非常に注目を集めていますが、次はアウトプットAIのバリエーションに注目が集まると見ています。汎用性が高いChatGPTよりも専門性の高いアウトプットAIの方がユーザーにとって理解しやすく普及しやすいはず。

AIによる本当の産業革命はアウトプットAIの開発にシフトするところから始まります。

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