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『コオロギ養殖ベンチャー、創業3年足らずで破産。左脳アプローチより3Dプリンター寿司を極めるほうが普及する』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.2.4

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■コオロギ養殖ベンチャー、創業3年足らずで破産。地元経済界などから融資を集める反面“クラファン大爆死”など一般消費者の理解は広がらず?

日本においては、毎年大量の売れ残りによる食品ロスの問題が取沙汰される節分の「恵方巻」が、近年ではすっかり風習として定着してしまっているところからみても、迫り来る“食糧危機”を大きな問題としては意識していない向きが多いことは明らか。

先述のグリラスも、ペットフードはやめるが食用昆虫事業は続けることを表明するなど、昆虫食・コオロギ食を広める動きはこれからも様々みられそうだが、そういった状況下では今後の普及も至難を極めそうというのが正直な印象だ。

昨日は節分。
豆まき、しましたか?恵方巻、食べましたか?

我が家ではコストコで買ってきた巨大な恵方巻を食べました。季節イベントは「踊らにゃ損損!」と乗っかって楽しむほうです。バレンタインデーも義理チョコ不要論が毎年出ますが、「チョコレートを食べる日」として、男性かつ甘いものをあまり食べない私が、家族皆にチョコレートを買ってきて振舞ったりします。

一方、恵方巻は売れ残りの大量廃棄、フードロス問題もよく取り上げられます。近年は予約制でロスを減らす努力はされている印象です。

フードロス問題の根源は、これから起きる世界規模の食糧危機問題です。
食両危機が起きる最中、恵方巻の大量廃棄は問題視されます。
そしてコオロギ養殖は食糧危機に役立つものだと説明されます。

社会的ニーズは正しそう、解決策としてのコオロギ養殖も正しそう。とても「合理的」です。

しかし、コオロギ養殖は流行っていません。売れないからコオロギ養殖ベンチャーが廃業に至りました。

コオロギ養殖は「合理的」な理由をたくさん並べられても違和感を抱く人が圧倒的に多いのが現状で、虫は気持ち悪い、虫は食べたくない、食糧危機に陥ってもギリギリまで虫は食べたくない、というのがシンプルな本音だと思います。

では、虫の消費需要を作るにはどうすればいいでしょう?ヒントは3Dプリンター寿司のマーケティングアプローチにありそうです。


2030年にはたんぱく質の供給不足に陥る試算。でも。

世界の人口が増え続け、食料の供給が追い付かなくなると言われています。

どんな生物も、食料の供給以上には増えないのが原理原則です。飢えて死んだり、食料調達競争に負けた個体が死ぬことで、生存できる総量が地球全体でコントロールされるシステムが実装されています。

社会性を持った人間の場合、経済力による貿易戦争と殺戮戦争で人口がコントロールされることになりかねません。できれば、社会の成熟による穏当な少子化によって、飢えて死ぬ・戦争で死ぬ人が生じずに総人口がバランスするとよいのですが。

今のところ、社会バランスができる前に食料は足りなくなると試算されており、特に動物の肉から摂取しているたんぱく質が不足すると言われています。それが2030年には起きるということで、実はもう間もなくのことです。

栄養価的にコオロギなど昆虫からたんぱく質を得るほうが、動物からより効率がいいともされています。他にも水や飼料が少なくて済み、CO2排出も少なく、飼育過程での環境負荷が低いこともメリットとして謳われます。

しかし、虫は食べたくないのです。
どんなに左脳的に合理性を説明されても、虫はイヤという人が多いのが現状。


3Dプリンター寿司ならアリ?

「超未来すし屋」は、個々の健康状態に適したパーソナライズされた寿司を提供するため、予約完了時に送られてくる専用の「ヘルスキット」を利用し、来店者の唾液、尿、便を採取する。システムは、キットにて提供された尿などから、遺伝子、腸内細菌、栄養状態などを検査し、体質や不足栄養をデータ化してヘルスIDを発行。
このデータ化されたIDから個々の健康状態に適した3Dプリント寿司を提供するという、正に人智を凌駕した寿司店となる。

見た目がこんな感じに麗しい寿司ならアリかもしれません。

ひとりひとりの健康状態に合わせて最適な「素材」を調合して、変わり種寿司の見た目で提供する3Dプリンター寿司店のコンセプトが2018年のSXSW(サウスバイサウスウェスト)で発表されていました。

オープンミールが展開するフード3Dプリントシステム「Food Fabrication Machine」は、特製の3Dプリンタや人工光ファームをはじめとした最先端のテクノロジーを各所に配置した次世代プロジェクトで、海藻やコオロギなどの食用ゲルから作られた栄養素を備えた材料から、ヘルスIDに基づいて構成された食品を、FDMやSLS方式など複数の3DプリンタやCNCルーター、ロボットアームなどで加工し、様々な形にデザインされた3Dプリント寿司を生成し、来店者へ提供する。

ここでもコオロギがゲル化されて3Dプリンターで射出される想定でした。
見た目が寿司なら、材料にコオロギが使われているとしても問題なく食べられるという人は多いんじゃないでしょうか。

それどころか、こんな見た目の寿司なら積極的に食べたい!という人もたくさんいそうです。

3Dプリンターミールを極めようとしているOPEN MEALSのサイトは相当に麗しく、食べてみたいと思わせます。寿司だけでなく「サイバー和菓子」にも挑戦しています。

コオロギ養殖ベンチャーの廃業の実情を見ても、栄養面や環境負荷面など左脳的にコオロギ食の効能を説くのは市場に対してあまり効果がありません。正論は時に攻撃的で、面白みに欠け、本音での賛同はしづらいものです。

マンガ『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?』のようにエンタメとして雑食文化を広めるのも、やっぱりキワモノ感が抜けず一般化もしないでしょう。(でもこのマンガは最高に面白くて大好きです。)

2030年以降の深刻な食糧不足に陥った時、仕方なく虫を食べるしかない未来よりも、3Dプリンター料理のテクノロジーを高めて、虫を食べてる感が一切ない状態を目指した方が前向きに流行るはずです。

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