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『生成AI時代を勝ち抜く「事業・組織づくり」後編 PIVOT TALK』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.14

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

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■生成AI時代を勝ち抜く「事業・組織づくり」後編

生成AIの7つの本質的価値を押さえる×一旦「生成AI」を忘れる
生成AI領域でサービスをつくる際の一番のトラップは、「生成AIを使うことが目的化」してしまって「顧客課題の設定が甘くなる」こと

昨日に続き、PIVOTに先日公開された、POSTS代表の梶谷健人さんが語る「生成AI時代を勝ち抜く「事業・組織づくり」のプレゼンテーション動画の感動メモです。


7つの本質的価値を理解したら、生成AIは一旦忘れる

前編では「生成AIとは何か?」を7つの本質的価値に分解して理解しました。生成AIの輪郭や特性を理解したら生成AIを事業にすぐに活かすのかと思いきや、「生成AIは一旦忘れる」というところから事業化のパートは始まります。

一旦忘れるべき理由は「生成AIを使うことが目的化」してしまって「顧客課題の設定が甘くなる」からです。

生成AIは、Web3・ブロックチェーン・NFT、またはメタバースなどと同じように、それ自体が魅力的であるがゆえ、生成AIを使うこと自体が目的化しがちです。それを真っ先に諫めています。


「顧客」「課題」「解決法」3要素から事業を考える

99%の事業は「誰の」「どんな問題を」「どうやって解決するか」でできている。=「顧客」「課題」「解決法」

事業がうまく行かない原因
・想定していた課題を顧客が抱えていなかった
・困っているけれど、それほど深い課題ではなかった
という、顧客と課題のペアリングがうまく行かないケース


顧客ニーズがあり、生成AIを使う必然性があるものを事業に

縦軸:サービスが解決しようとする課題価値が高い=顧客ニーズ
横軸:生成AIの必要性

左上(△):顧客ニーズは高いが、生成AIの必然性が低い
=サービスが解決しようとする課題の価値は高いが、生成AIである必要性はないプロダクト
=生成AIでなくてもよくない?

右下(×):生成AIを使いたいだけで、顧客ニーズがない
=生成AIの見せ方としては素晴らしいが、課題解決価値が乏しいサービス
=それって誰が困ってんの?

Web3やメタバースなどでも起きがちなのが上記の「左上(△)」と「右下(×)」
=Web3でなくてもよくない?Web2でもよくない?
=3Dメタバースでなくてもよくない?普通のECサイトやコミュニティ掲示板でよくない?
=それって誰が困ってんの?

右上(〇):顧客ニーズがあり、生成AIを使う必然性がある
=アプローチする市場の課題が明確/深刻で、かつ生成AIを使う必然性もある領域

常にこの象限図を前に置いて、左上(△)や右下(×)に行っていないかを確認し、チーム全体で共通認識化させることが重要。


解決する価値が高い課題のほうが希少価値が高い

1.まずは上に登るために顧客課題を深ぼる
2.その上で生成AIが活きる領域を考える

そのために、「生成AIは一旦忘れる」。


生成AIの7つの本質価値を手札に

洗い出した顧客課題に、前半の「生成AIの7つの本質価値」を当てはめることで、右上(〇):顧客ニーズがあり、生成AIを使う必然性がある 事業を構想していく。

1.コンテンツの創造コストを限りなく0にする
→創造コストが原因でこれまで実現できなかった事業か?
 「もしタダだったら実現できる」が以下2.以降にすべて組み合わされる。

2.システムによる限りなく自然な対話の実現
→AIによる自然な対話ができるようになったことで実現可能になる事業か?

3.非構造化データのベクトル化による柔軟な処理
→雑多な情報を適当に放り込めるようになったことで実現可能になる事業か?
→入力データの形式整理ができなかったことで実現不可能だった事業か?
→入力データの形式を決める=アウトプットを事前に決めることが不可能だた事業領域か?(アイディアブレストなど)

4.コンテンツのマルチモーダル化
→文章、画像、音声、動画などコンテンツの種類を横断することに意味がある事業か?(シナリオ台本の文章をビジュアルにして共通認識を持つストーリーボードなど)

5.高単価専門知識の民主化
→法律、医療、建築など「士業」に代表されるナレッジを皆が使えるようにする事業か?

6.言語障壁の軽減
→多言語に翻訳することで価値を生む事業か?

7.新しいモーダルでのインプットの実現
→プロンプトの不要化が効く事業か?(スマホのカメラで撮影するだけなど)


さらに生成AIを前提とした組織の在り方に話は展開

いかに「生成AIネイティブな組織」を作っていくか?

・生成AI時代に「組織の在り方」を見直すべき3つの理由
1.圧倒的な効率化ポテンシャル
 マッキンゼーが分析する効率化しやすい職種のパラメータ
2.「高度な頭脳労働」にも及ぶ影響範囲
 ボストンコンサルティンググループの研究によると、ルーチンワークだけでなく高度なコンサルティングなどでも使える
 組織全体のボトムアップに寄与する
3.「創造性」すら、もはや人間の聖域ではない
 GPT-4よりも創造性が高い人は100人のうち9.4人しかいない

さらに、具体的に業務に生成AIを導入するための「6割の中間層にアプローチする」こと、WAU(Weekly Active Users)をKPIにすること、ニュース記事で満足せず実際に生成AIを触れることの重要性など、組織内で生成AIを浸透させるための方法に話は展開します。

そして、生成AI時代に「組織の在り方」を見直すべき究極の理由が、PIVOTのWeb&アプリだけで限定公開されているこちらの「生成AI時代の未来予測編」のほうにまとめられています。

上記の「3つの理由」と「具体的な手順」は実務的・実用的ではあるものの、こちらの究極の理由の方を合わせて見ると、組織を生成AIネイティブに作り変えるべき本質的な理由が理解できます。


生成AI時代の未来予測編

・“囲碁/将棋現象の拡大”
 これまでAIには無理だと考えられていた領域にも影響が広がる。
 計画・企画の立案、経営、労働、発明をAIが自律的に行う時代が来る。
・AIが自律的に稼ぐ時代
 AIに仕入れとして買ってもらう=AIは消費者?
 AIは社会の構成員?人権?

・「人間か、AIか」ではなく「AIが人間の一部」となる。
 1000倍差がつくとサルと人間くらいの差になる。
 AIを使わない人はサル並みのパフォーマンスと見なされる時代、「デジタルに疎い」程度のレベル差ではない。
・人間の個体に求められる資質が変わる。
 古代:本能/筋肉/戦闘能力(今は要らない)
 現代:理性/知能/社会的地位 に変わってきた
・生まれ持った資質の差が誤差になる。
 AI時代以降は
 現代:努力/個体の能力
 未来:AIとの接続数/AIのスペック/AIの処理速度
 人間の個体の能力は誤差になる。

これらは不可避な変化。しっかり向き合う必要がある。
思想OSをアップデートしていく、人類史的な転換点として捉えていった方がいい。

「人間の基礎能力をAIが拡張する」という発想も古くなる。
AIの進化発展で基礎能力に依らずAIが最良の解を出すようになる。
IQ1万の人から見た時、IQ100かIQ200かは誤差。

人間に必要なのは「夢を見る力」「人間本来の魅力」にシフトする。
今でも採用面接では個体の性能だけでなく人間性を見るし、ITスキルを見る。それとあまり変わらず今と地続きの事象。哲学や社会思想、宗教の重要度が増す。

「悪用」は重要な観点。
オッペンハイマーの「核の発明」のように、良くも悪くもインパクトが大きいものを今発明しているのだという自覚とルール作りが必要。

メリトクラシー(能力主義)は薄まる。
一方、高性能なAIに触れられるかどうかが資本によって差がつく。資本主義の課題。収益を分配する仕組みや課税の仕組みが必要。ビジネスで人徳が重要になる時代。

子どもにはAIパートナー力とオタクな部分を伸ばす教育を
受験勉強は能力を平準化させる機能があるが、今後オタクが活躍するAI時代に求められる人物像と真逆。AIを活用できる最低限の基礎学力=スイートスポットまでは必要、それ以上はAIとのパートナー力。今は基礎学力に求めるレベルがオーバースペック。

ロボットはソフトウェアより時間がかかる
スケーリングlaw=計算資源、パラメータ数、学習データを多くすれば成果が上がることがわかってる。ロボットはスケーリングlawの法則性がまだ見つかっていない分時間がかかるが、いつかは実現される。

これらは上記のような要約文だけではなく、POSTS代表の梶谷健人さんとPIVOTの佐々木紀彦さんの対談の中で感じた方が間違いなく深く理解できます。

まずは大勢の方に見てほしいと思う願いとして、そして自分の後学のために要点をまとめてみました。この動画と書籍が多くの人に届き、生成AIや他の先進技術が事業を通じて社会浸透していくことを願っています。

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