サッカー漫画(アオアシ)から学ぶ、ビジネスに必ず必要な思考力をいかに鍛えるか? (1/2)
こんにちは、Moriです。
今日はビジネスマンのスキルアップ、私が所属しているコンサルタントチームのレベルアップにも非常に深ーい深ーいインサイトを提供してくれたマンガの紹介です。
正確に言うと、マンガも全て読んでいますが、今回は解説本を中心に紹介してみます。こちらの本です。 『**アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方~カオスな環境に強い「頭のよさ」とは』**著者はFacebookなどでも常にポストから勉強させてもらっている楽天の創業期からのメンバーであり、楽天グループ(株)楽天大学学長の仲山進也さんです。
なぜビジネスマン、もしくはコンサルタントを志す人に役に立つのか?
私がこの本に惹かれた理由でもあります。 1つ目は、ヒトより早く成長したほうが良い、成長するということが求められる(特にコンサルタント)、そしてこの本はそのコツが本来であれば芸術的なものだったのに、論理的・反証可能なレベル、つまり科学的に説明されているということです。 2つ目は、私はヒトの成長ということに興味がありずっと取り組んできたこと、コンサルタントのマネージャー、特に現代のコンサルタントのマネージャーには育成力が求められているという考えから来ています。私がヒトの育成に興味があるのは、自分が出来ない若手だったのですがいつの間にかそれなりに出来てきた、その道を言語化したいという欲求。現代のコンサルのマネージャーとしては、昔のような長時間労働や以心伝心的な方法がなかなか許されない労働環境になってきたこと、そしてそれが若手に求められていないのではと思うことが背景です。
おっと、ここまでで既に長文になる予感がしてきました。どうしよう。。。長くなりそうですが、お付き合いください。
成長速度を上げるにあたって重要なこと、TIPS
冒頭にアヤックスが提唱していた選手の育成の際に重視する4つのポイントがあります。
この4つなんて順番も含めてとても的確だと思います。個人的に思うのは、社会人時代の特に新入社員の頃の反省を踏まえて、テクニック=「基本動作」の精度は非常に需要だと思います。どのくらい基本動作かというと、それこそPCスキルであったり、当たり前の業界知識であったり、当たり前のコミュニケーションスキル。こういったところを若い人や業界を変える中途入社のメンバーにとっても、「大事でである」ということを認識することで、着実な成長曲線が描けるはず。もう少し正確にいうと、成長曲線を低減させるリスクを減らすということです。その職務を遂行するにあたっての基本動作はなにか?を自身も含めて改めて認識したいと考えました。
インテリジェンス、思考力をいかに鍛えるか?
TIPSのなかでこの本では(I)インテリジェンスをいかに再現性高く獲得できるか?ということに焦点をあてています。その最も中心となる考え方が
第1章:観察
第2章:判断
第3章:実行
となるのですが、これってOODAループとすごい似ていますよね。OODA(ウーダ)ループというのは…(略)です。←これだけでも1記事になっちゃうので。。一言でいうと、PDCAといったPLANに時間がかかる仮説構築実行ループではなく、もっとアジャイルに現場で起こっていることに対して、状況を観察して、打ち手に関して大凡の方向づけをしてしまい、まずやってみるという仮説構築実行ループです。
第1章 観察
観察を始めるにあたって…知らないものは見えない
これは私がずうっと感覚的に理解していて言語化出来ていなかったことを言語化してくれた一節です。もう少し噛み砕くと、
ということです。つまり、いくら考えても考えても、いわんや周囲のメンバーから指摘されても
ここからのTipsは ・成長をするにあたって、共通言語となる知識はインプットしておいたほうが有利(ともかく本を読んどけ)
・話す側としては、その共通言語がわかっていない場合は、話していることの伝達力が著しく下がっていることを認識する(だいたい難易度が高くて出来ないですけどね)
・そして、話す側はその必要性やその周辺概念から説明していく必要がある(これもいちいち出来ないケースが多い、また話が噛み合わないときはここが原因)
ということです。 オンボーディング側(入社するヒト)としては、ともかく観察力を増やすために、インプットの間口を広げるために、視点を獲得しましょう=本を読んだりしましょう!過去の社内資料を噛み砕きながら読みましょう!ということを伝えておきましょう。特に過去の社内資料は訳が分からなくてもとりあえずインプットして大枠を理解しようと努力することをおすすめします。だいたい初見だとわからないことが多いのが困った点ではあります。。
知らないものは見えないが、興味のないものも見えない
これも私がずうっと感覚的に理解していて言語化出来ていなかったことを言語化してくれた一節です(p.22)。もう少し私なりに噛み砕くと、「興味を持たない対象に対しては理解の深掘りが進まない」ということです。興味を持たないと散逸した資料を見ても「こういった資料があるんだな」ということで終わってしまいます。無理やりにでも興味を持つためには、「アウトプット」を意識してインプットすることが1つの補助になると考えています。つまり、「この資料をヒトに話すとしたらどういったことを伝えるべきだろう」といった具合です。ああ、この見出し一文「知らないものは見えないが、興味のないものも見えない」だけでも興味深いです。諸先輩方や同僚にどうやって興味を持つ努力をしているか聞きたいですね。
偏見があるものも見えない
さあ、見えないシリーズの第三弾。知らないものも見えないし、興味が無いものも見えない。そして、偏見があると、これも見えないです。これは偏見バイアス(アンコンシャス・バイアス)とかいった言葉でも語られますね。マンガのなかに指導者から痺れるほどにかっこいい言葉があるのでそのまま引用します
この格言を私の自戒も含めて2点応用したいと思います。
Factや社内の成果物に対しては判断をせずに、正面から受け止め、しっかり覚えよう
→ 巨人の肩の上に乗るためには、斜め読みで知識を広げる一方で、本質的には正しく覚えるまで咀嚼、暗記することが重要
悪い兆候、特にリスクに対しては、そのまま解釈せずに受け止め、判断をせよ。
→都合の悪いことに対しては認知しても放置しがち。正しく受け止め、判断しよう。これによってプロジェクトリスクが大幅に軽減します。特に対クライアントの感情が重要。
自由とは、選択肢を持っていること
→豊かさとは選択肢を持っていること。とよく言われる(個人的には豊かさの一側面として賛成する)格言に似ている、自由とは選択肢を持っていること。これはマンガのなかで
視座は高ければよいものではなく、上げ下げ出来ることが大事
これはコンサル業界では鳥の目、虫の目、具体化抽象化、So What, Why So で検証する、と多少ニュアンスは違いますが、同じような意味で使われることも多い概念です。ただ、これは個人的にはとても難しくてとても大切な概念なので、腹落ちさせるために、きちんとこの概念を「知る」ことが重要だと考えています。
なお、視点・視野・視座と視差に関してはp.35に定義があるので参考にしてください。
その視座を高めて視野を広げていく、これは成長するために入力情報を最大化していくというお話です。ここで、仲山さんは当たり前に聞こえるかもしれませんが、非常に明快な方程式を提示します。
これを「知る」ことは、知ること、興味をもつこと、バイアスを減らすことの重要性を改めて教えてくれます。また今までの視座を高めて視野を広げる、ということは「アクセス情報力」の話をしていましたが、ここからは吸収率の話をします。
吸収率を高めるためには偏見から解放され「心理的柔軟性」を高める
吸収率を高めるためには、アクセス情報量を最大化するためにも使用したアプローチである「偏見を失くす」ということが推奨されています。
私にも心当たりがあります。苦手なヒト(ストレートに言えば嫌いなヒト)からの意見、自分より経験が浅いと思っているヒト(ストレートに言えば俺のほうが上だと思っているヒト)からの意見、聞きませんよね。正確に言うと、聞いているんだけど、学ぼうとしていませんよね。そういった状況の秀逸なやり取りがあるので、p.69-p.72を参考にしてください。
これは私にも当然反省がありますし、Know it all 型の人がハマりがちな罠です。VUCAの時代において Learn it all (尊敬するサティア・ナデラさんの言葉でもあります。『Hit Refresh』参考ください)の姿勢の重要性は言うまでもありませんが、その重要性をこのマンガではとてもわかりやすいストーリーとしてまとめてくれています。
逆にこの心理的ガッチガチ(p.78)を逆手にとって軽減する方法が3つ語られています。
また、そのために
ということを勧めています。この3つ目は、私の時折立ち戻ってはいるが到達できない大切な本である『反応しない練習』でも語られていることと非常に似ており、納得したものです。(が、到達できない…) とっても長いまとめですが、ここまでが第1章となります。
まとめ
知らないものは見えない、興味ないものも見えない、偏見のあるものも見えない、そして、吸収率を高めるためには偏見から解放され「心理的柔軟性」を高める、これらは成長するにあたって肝に銘じる、何回でも反復したい名言ですよね。
どこかでも使いましたが、日本人で良かった。日本語で、母語でアオアシとこの本を読めて幸せです!
また後日、第2章以降はアップデートします!