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マサさんがカツセマサヒコになったのは俺がインターネットで働くきっかけのひとつだった

大学の軽音部の先輩にマサさんという人がいまして、一緒に学園祭のテーマソングを作って大勢の学生の前でライブして「なにこれちょっとしたヒーローじゃん」みたいな気分に浸ったり、Mr.Childrenのコピーバンドを結成してミスター○ンカスというあまりにもひどいバンド名をつけてゲラゲラ笑ったり、とにかく仲良くさせていただいていた人でした。

このマサさんという人は数年前からカツセマサヒコというカタカナの名前を名乗り、インターネットを賑わせております。ご存知の方も多いのではないでしょうか。

どうかしてると思いますね...

ある時期からマサさんのTwitterフォロワー数が爆増し始め、何が起きているんだと驚いている間に破竹の勢いでTwitterの申し子的ポジションにまで上り詰めてしまいました。
「タイムラインの王子様」なんてキャッチコピーがつけられているのを見ると「ほほう...?」という気持ちになったりもしましたが、今でも年一くらいで会うとき現れるのはいつものマサさんで、全く調子に乗ったりするそぶりもなくむしろ年々慎重になってる印象があるほどで、学生時代と変わらず尊敬する先輩のひとりです。

そんなマサさんが先日「明け方の若者たち」という本を出しました。

いわゆるデビュー小説になるんだと思いますが、早速読んだこれがめちゃくちゃ良かったんですよ。

と来ると何がどう良かったのかを客観的に説明する必要があると思うんですが、それはもう完全に無理です。
だって舞台が明大前・下北沢と学生時代を過ごした街で全てのロケーションが手に取るように頭に浮かんできてそれだけで感情がたかぶるし、内容もフィクションなんだけど現実との境目がもんまりしていてドキュメンタリーを読んでる気分になってくるし、ていうか結構ネタバレ厳禁系なのであんまり核心をつくことを書いちゃ野暮ですし、そもそも大学の先輩なので失礼があったら怒られるし...

登場人物に感情移入するする瞬間も多かったです。
「こんなはずじゃなかった人生」と言われると、私も大学卒業後、一旦は就職せずにミュージシャンを夢見て頑張ってたんですが、狭き門とは知りつつ自分はうまくいくっていう根拠のない自信があったりして、でもやっぱりうまく行かなくて、どうすんねん俺の人生という中でなんとか就職して、みたいな人生だったので、そういう思い出が蘇ってきました。
(そういえば本の中に出てくる「大学時代の軽音楽部の後輩」のモデルは我々のバンドのことだったんじゃないかと勝手に思っています)

読みながら、かつてmixiにめちゃくちゃ長文の日記を書いていたマサさんのことを思い出していました。
また、自分が何の仕事をしようか悩んでたときに、インターネットによってマサさんがカツセマサヒコになっていったワクワクを追い求めようと決めたことを思い出していました。

ということで、自分にとって中立的な立場でおすすめすることは全く不可能な本書ですが、読んでない方いらっしゃいましたらぜひ!

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