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宝達山について

能登半島で最も高い山、宝達山。標高は637m、頂上からは白山や立山のパノラマビューを見ることができます。宝達山のある宝達志水町は能登半島の中で最南端であるため、金沢市の中心から40分程度で行けてしまいます。能登半島は南北に大変長く、最北端に行くには2時間以上かかってしまいます。ちなみに1時間あれば隣の富山県と福井県に行くことが出来ます。

山頂はブナの原生林が広がり、「水源の森百選」に選ばれており、水が豊富です。この宝達山の一番特徴的だと思われるところが、その昔、金山あったことです。

加賀藩が金山として開山し、約半世紀にわたり、加賀藩の財政を支えることになります。大判約3500枚取れた年もあるそうで、宝達山から取れた金の総額は現代価値で7兆円相当になると言われています。加賀藩がお金持ちなのも納得です。

更に面白いのが金の採掘に関してです。西洋の手法が伝わるまで一般的には掘り出した金鉱石を大きな石挽臼で粉砕し、不要の石・土を水で洗い流して砂金を取り出す「流し」という方法が用いられておりました。しかし、宝達山では早くから西洋の手法で金の採掘を行っていた記録が残っています。

なぜ宝達山でそんなことが起きたかというと、キリシタン大名・高山右近が宣教師を通じて先に西洋の土木工法を学んでいたからではないかという説が有力です。高山右近は宝達志水町内にキリスト教学校を開校するなど宝達志水町との関わりが相当あったようなのです。ですので、宝達山の金山採掘にも一役買って出たのではないかと言われています。

その後、金は採掘しつくされ、その採掘の技術は藩の領地の土木工事に生かされていきます。

そろそろ各地も紅葉のシーズンです。宝達山は山の中では標高も低く、登山初心者にもやさしい山です。いのししに気をつけて一度登ってみてはいかがでしょうか。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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