マイナンバーカードがスマホに搭載されると何が嬉しいのか
こんばんは。MORIDaisukeです。
本日5月30日、マイナカードをiPhoneに搭載できる機能が正式に発表されました!
これはマイナカード界隈&デジタルID界隈の私としては、ずっと正座して待っていた機能です。
機能のリリースは2025年春とのことですが、せっかくの機会ですので「そもそもマイナカードをスマホ搭載できると何が便利になるの?」という点を、私の考えでまとめてみようと思います。
おことわり
このnoteは私の個人的な考えをまとめたものです。業務上知り得た秘密情報や非公開情報は含んでおりません。
現時点で公開情報がほぼ無いので、この記事は「こうなるはず」という推測です。もし間違いや誤解があればコメントやXなどでご指摘いただけると嬉しいです。
利用者目線の話を書きます。技術的な話はしません。
iPhoneへのマイナカード搭載について書きます。Androidにも一部機能を搭載可能ですが、そっちは仕組みが異なりますので触れません。
なお、物理カードの機能が気になる方は、こちらの記事もご参照ください。
それではいってみましょう!
マイナカードの現状課題
「何が嬉しいのか?」の前に、まずは現行マイナカードの課題をおさらいします。課題というか、個人的な文句かもです。
カードを持ち歩きたくない
そもそも利用頻度の低いカードを持ち歩きたくありません。最近はキャッシュレスの普及で財布を持ち歩くことも減りましたし。
また、運転免許証と同時に紛失したくない、というリスク分散の観点でも、同じ財布には入れておきたくありません。
という訳で、マイナカードは家に置いておきたい派です。
スマホでの読み取りが遅い
マイナカードをスマホで読み取るの、なんか遅いですよね。Suicaと違って「カードをぴったりくっつけて読み取りを待つ」という体験は、技術上仕方ないのでしょうが、ちょっとイライラします。
暗証番号覚えてないんですけど
4桁のPINは覚えていても「署名用パスワードってなんだっけ?」という人も結構多いのではないでしょうか。
暗証番号入力が面倒
カードの読み取りだけでも面倒なのに、4桁のPINを入力しなければならないのは更に面倒ですよね。しかもパスワードマネージャー使えないし。
何回読み込ませんねん
手続きにもよりますが、複数回の読み取りが必要なケースも結構あります。もちろん暗証番号もそのたびに入力が必要です。
再発行まだですか?
現在、マイナンバーカード紛失時の再発行には1~2か月ほどかかるらしいです。これはちょっと長いですねー。
参考:これについては改善が検討されています。
マイナンバーカード、再発行最短5日で 24年秋までに - 日本経済新聞 (nikkei.com)
年齢確認のために、氏名や住所を見せたくないんですけど・・・
マイナカードは居酒屋やコンビニでの年齢確認にも使えます。
が、提示したいのは年齢だけなのに、カードを提示することで必然的に氏名や住所も店員さんに見られてしまいます。
当たり前の話のようにも思えますが、これってちょっと嫌なひともいるのではないでしょうか。
そもそも今なにを読み取ってるの?
マイナカードは色々な機能があります。氏名・生年月日・住所・性別を読み取る機能もあれば、電子署名をする機能もあれば、ただ認証をするだけ(個人情報は渡さない)機能もあります。
マイナカードを読み取るとき、いまどの機能を呼び出されていて、どの個人情報を渡しているのか/渡していないのか、正直よくわかりませんよね?
こうした課題は次期個人番号カードの検討会でも改善が検討されていると思いますが、「ICカードであるがゆえ」の課題も多く、根本的な解決は難しそうでした。
そのため、次期カードではなくスマホ搭載による解決を期待しているところが大きいのです。
スマホ搭載で嬉しくなること
スマホ搭載では上述のような課題が解消されるかもしれません!
カードを持ち歩かなくて済む!
スマホ搭載すれば、当然ながらカードは家においておけます。カード本体の紛失リスクも減るでしょう。これは嬉しい!!
読み取りの手間が減る!
スマホにカードを搭載してしまうので、カードをiPhoneにくっつけて読み取りを待つあのイライラがなくなる訳です。これは嬉しい!!
ただし、対面で利用する場合はモバイルSuicaのように「スマホ本体を読み取り機にタッチする」行為は当然ながらなくなりません。まあでも、スマホをタッチするくらいなら全然いいですよね。
暗証番号の代わりにFace IDが使える!(おそらく)
Face IDやTouch IDを4桁の暗証番号の代わりに使えるようになるはずです。これで暗証番号入力の手間がなくなります。複数回の読み取りが必要な場合でも、Face IDならだいぶ手間が減るでしょう。これは嬉しい!!
ただし、署名用パスワードも同じように入力不要にできるかは現状不明です。少なくともAndroid版では署名用パスワードについては生体認証での代替は不可になっています。署名用パスワードはオンライン手続きで比較的よく使う機能なので、これも生体認証で代替できるようにしてほしいですねー。
再発行がすぐできる!(と思われる)
スマホを紛失してしまったときにもマイナカード本体は手元に残る訳ですから、スマホ搭載カードの再発行はすぐにできるのではと思われます。
カード自体を紛失してしまったときに比べると、だいぶ楽になりますね。これは嬉しい!!
年齢だけを提示できる!(かも)
iPhoneへのマイナカード搭載で用いられる技術では「証明書の中の一部のデータのみを渡す」ことが可能となるはずです。これを「選択的属性開示(Selective Disclosure)といいます。
今までの物理カードでは、年齢を証明するときに氏名や住所も相手に見せなければならなかった訳ですが、iPhone搭載マイナカードを使えば「年齢だけを証明する」あるいは「年齢すら見せずに、「20歳以上である」ことだけを証明する」ことが可能になるかもしれません。これは(実現すれば)嬉しい!!
いまどのデータを渡そうとしているのかがわかる!(かも)
これはAppleのウォレットの説明なのですが、iPhoneのウォレットに搭載した証明書を誰かに提示する際は「どのデータを要求されているのか」、「渡したデータはどれくらいの期間保存されるのか」などを事前に確認できるようです。
上記は米国のモバイル運転免許証の例でして、マイナカードでも利用できるのか、対面でも利用可能なのか、など詳細は分かっていませんが、「今なにを読み込まれているか分からない」という多機能なマイナンバーカードならではの課題を解決してくれるかもしれません。これは(実現すれば)嬉しい!!
個人的には、この機能(と選択的属性開示)が、スマホ搭載の技術的な注目ポイントかなと思っています!
おわりに
勢いで書いたので特にオチもありませんが、最後まで読んでいただきありがとうございました。課題が解決されると嬉しいですね!
今後情報が公開されたら適宜追記していきたいなと思います。
参考文献
マイナンバーカード機能等のスマートフォンへの搭載に係る実証事業(技術検証・要件検討)|デジタル庁 (digital.go.jp)
マイナンバーカードを用いた本人確認とiPhoneへの機能搭載【鈴木淳也のPay Attention】-Impress Watch
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