デイリーRPのすゝめ または森ボーイのご飯のお話

(これは「定期ゲ・鶏 Advent Calendar 2019」14日目の記事です)

○自己紹介

 どうもこんにちは。はじめましての方ははじめまして。わたくし切り株(@BehindForestBoy)と申します。
 定期更新ゲーム/AP制ゲームをはじめとするロールプレイ(RP)要素を有する多人数参加型ゲームに関しては、栗鼠様(Lisge.com)が手がけられた「Celestial Call」(以後、天呼)から参加しております。それ以後この界隈で活動してきました。早いものでもうちょうど5年ほどになるでしょうか。
 以下はこれまで参加させていただいたゲームに登場させたプレイヤーキャラクター(PC)たちとなります(カッコ内はEnoです)。

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 プレイスタイルは交流/RP重視で、特に更新ごとに日記を書けるタイプのゲームでは字数制限ギリギリまで徹ッッッ底的に書く傾向がございます。これら日記に関しては私のWebサイト「もりぼWeb」に転載させて頂いておりますので、ご興味のある方は読んでいただければ幸いです。

 それでは自己紹介もここまでとして本題に移りたいと思います。

○イントロダクション

 まずは以下の文章をご覧ください。

[昼食を摂取している]
[今日のお昼はオムライスである。ケチャップとタマネギで炒めあげたご飯を、卵に包んで。それからその上にレタスや赤ピーマン、パプリカにベビーリーフと野菜を乗せて、ゴマだれドレッシングで和えるヘルシー・エディション]
[添え物も野菜ジュース]

[いただきます]

[オムライスを野菜ごと削り取って口へ]
[このみずみずしさと歯ごたえ、温かさと柔らかさのギャップがたまらない]
[ケチャップ以外のソースで食べてみるのも新鮮なものだ。ゴマだれのまろやかさは卵にも合う]

[ごちそうさま]

 こんな感じのことを、わたくし切り株のPCである宇津見孝明くんはほぼ毎日朝昼晩とやっておりました。
 大変ありがたいことに、この孝明くんのお食事RPに関しましてはゲーム参加当時から一定の評価をいただけております。時にはゲーム中で食べに来てくださるPCさんもおり、会話が弾んだりもしました。
 今回は、このような毎日決まったことをやるRP「デイリーRP」と呼ぶことにしましょう)についてお話したいと思います。あなたのPCさんを皆に知っていただきたい、他の方のPCさんとつながりを持ちたいという時、とにかく毎日顔を出して興味を持ってもらう/顔を覚えてもらうというのは重要なことです。デイリーRPはそのための手段になるかと思います。

○どんなことでデイリーRPをするか

 毎日やるからには続けられるようなことであってほしいものです。書くことが苦しく感じてしまうようではデイリーRPの継続は難しいでしょう。
 何も複雑なことをしなくてはならないというわけではありません。毎日時間に応じた挨拶をするというだけでもデイリーRPは成立します(実際、ところによってはこれだけでも話しかけてきてくださる方が多くいらっしゃいます)。
 それでもせっかくだから凝ったことをしてみたい、というのであれば、以下を参考にデイリーRPですることを考えてみてください。

・PCさんが習慣づけていそうなことをする
 例えば、あなたのPCさんが屈強な戦士だとしたら、毎日朝起きた後に剣の素振りをするかもしれません。そして、慣れた素振りでもやっている最中には何かしら考えるものです―――その戦士が向上心に満ちていたり、乗り越えるべき壁を前にしている人だとしたら、腰や腕の筋肉を意識し、今の一振りよりも次の一振りが優れたものになるよう念じ続けたりするでしょう。あるいは単に身体を暖めるためにやっているだけなら、この後の予定のことだとか、仲のいい友人たちが今頃どうしているだろうかとか、そういうことを頭に浮かべながらトレーニングを続けるでしょう。時にはちょっとしたアクシデントが起こったりもするかもしれません……飛んできた鳥にフンを落とされたりとか、突然新しい技をひらめいて試してみたりとか。
 このように、PCさん自身が習慣づけているであろうことを本当に毎日書き込んで、時に色々とバリエーションをつけてみるというのは、デイリーRPのいち形態になるかと思います。

・あなた自身、興味があることをする
 
あなたは今、なにか勉強してみたいことがありますでしょうか? 例えば字をきれいに書けるようになりたいとか、花の名前や花言葉を覚えてみたいとか……
 いっそPCさんにもなにか理由をつけて一緒に勉強してもらうことにし、その過程をデイリーRPにするというのもいいかもしれません。もちろん学んだことをそのまま書くのではなく、PCさんが同じ勉強をしたらどんなことを考えるだろうか、と想像しつつ書いてみましょう。勉強したことを違った視点から再確認することになりますので、より身につくと思いますよ。PCさんも得た知識をどこかで役立てたり話のタネにしたりできるようになります。

 私は今年に入って自炊をする身になりましたが、孝明くんと料理RPをした経験は活かされていると思います(と言えるほどには実際大したものは作れてないんじゃとも思ってますが……少なくとも全く料理の仕方がわからないというようなことはありませんでした)。

・ほかのRPからネタを拾ってみる
 先述の孝明くんは料理人のキャラクターとかではなく、植物を操る異能使いでした。それがなぜ毎日料理を行うようになったのかというと、彼はかつて自らの肉体が植物に侵蝕されることで人の心を失う危機にありました。それを防ぐために、人としての営みである料理を行うという提案を受け、今日に至るまでそれを続けているのです。
(余談ですが現在の孝明くんは完全に人間をやめてしまっています。しかし人の心は失っていない……はず)

・ゲーム的要素を加える
 これはダイスを振って出た目の数だけなにか作業や事態などが進展する、というようなやつです。話しかけてくれた人も1日1回ずつダイスを振って手伝えるようにしたりすると交流のきっかけになると思います。

・人に与えてみる
 料理の炊き出しを毎日されている方、というのも最近見かけます。こういった形のRPであれば見ている側も気軽に声をかけに行くことができますので、交流のきっかけになるでしょう。

○デイリーRPを習慣化するコツ

自分の中でデイリーRPを投稿する時間を決めておくとよいでしょう。私と孝明くんの場合は7:00に朝食/12:00に昼食/19:00に夕食を投稿するものと決めていました。

・時間になったらその場でデイリーRPを仕上げて投稿する、というのは人によっては難しい場合もあるかもしれません(例えば上記の例ですとPL自身の食事の時間とも被ってしまうので……)。そこで、時間が空いた時にいくらか書きためて、Google ドライブなどすぐにアクセスできる場所に置いておきましょう。投稿の時間が来たらそこからコピペすればOKです。もちろん、その場の状況に応じて修正する必要が出たらしておきましょう。

○足跡を振り返れるように

 長く続いたデイリーRPを時には振り返ってみたくなることもあるでしょう。しかしあなたのPCさんはデイリーRP以外にも多くの発言をして、振り返ろうにもログがややこしくなってしまうかもしれません。
 そこで、私は「○食を摂取している」という文言を最初に入れることで、検索ですぐにまとめて出てくるようにしました。またゲームによってはTwitterのハッシュタグのような機能がある場合もございますので、デイリーRP時にそれを必ず入れることにするのもよいでしょう。

○おわりに

 以上、デイリーRPに関してご説明させていただきました。

 繰り返しになりますが、毎日挨拶するだけでも立派なデイリーRPになると思いますので、まずは気負わずに考えてみましょう。また、自分からデイリーRPせずとも、デイリーRPしている方に話しかけてみるというのもよいでしょう。

 また、「言の葉の樹の下で」1期が終了したこともあり、この度孝明くんのご飯RPログを先述のもりぼWebにアーカイブしました。時間が足りず、本記事を投稿した段階(2019/12/14)ではまだ全てを書き写せてはいないのですが、もしよろしければこちらもご覧いただければと思います。

 それではここまでお読みいただきありがとうございました。
 よき定期ゲーライフを。そしてもしどこかでお会いしましたらどうかよろしくお願いいたします。


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○(蛇足の1)孝明くんと私

 ここからは本題と関係ない蛇足になります。
 まずは上記孝明くんで実際にゲーム(天呼)に参加し、何を思ったかとか、デイリーRP以外にもやってよかったということに関するお話です。もしかあなたのRPの参考になったならば幸いです。

 私は元々とある辺境のなりきりチャットで楽しんでいた人で(孝明くんの原型はそこで10年くらい前に生まれたキャラです)、天呼にもその延長のつもりで参加しました。
 まず驚かされたのが同時にチャット上で動くPCさんの多さでした―――これまで居たところでは多くとも十数人程度だったのが、一気に数十人、あるいは百人以上ものPCさんを目の当たりにすることになったのですから。
 Twitterでかねてからお付き合いのあった方のPCさんをはじめ、ひと目見て興味の湧いたPCさんにリンクを送る(この行為によって互いの発言ログが見られるようになったり、戦闘への連れ出しが楽に行えるようになったりします)ことを繰り返していました。とても絵や文章が上手な方が多く、特に絵に関してはそれまでほぼ練習していなかった自分がどこまでついていけるかとも思いましたが、ありがたいことにどの方も声をかければすんなりと受け入れてくださいました。
 また天呼にはテーマごとにPCさんに投票できるシステムがありましたが、ある時初めて孝明くんに票を入れていただきすごく嬉しかった記憶があります。ゲームの閉鎖に際しコメントを保存しなかったのが今も悔やまれます。

 天呼でも料理のデイリーRPはしていたのですが、それより前にアイコン芸をやっていました。天呼ではPCが発言する際のアイコンを簡単に切り替えられるため、表現をアイコンで補ったり顔芸をしたりが気軽にできました。
 孝明くんはある時期からチャットで何かが流行るとミーム汚染されたと称して変身するようになりました。たしか最初はみんなしてナース服を着はじめた時だったと思います。その後も果物になったり、メイドさんになったり、猫耳が生えたり、顔面が回転したり、分裂したり、顔中の穴という穴にネギが突き刺さったりとかして周囲を騒がせておりました。
 使っていたアイコンをほぼ全部まとめた絵があるので下に載せときます。

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 一方でゲーム面に関しては、まだこういったゲームに慣れていなかったのもあり、特に序盤戦は効率の悪いプレイと言わざるを得ませんでした。それでも4Fで狩人結晶(あるボスキャラに対して非常に効果的で、それ以外の戦闘でも十分強力なスキルを習得できるアイテム)を偶然にも入手できたことで戦闘面でも活躍できるようになり、キャラクター育成の方向性も定まりました。ゲームも後半に差し掛かった頃には「モラルタ」というスキル(条件が揃うと敵に与えるダメージを加速度的に高められる効果がある)を使い、最大ダメージにチャレンジして遊んだりしました。
 反面、そうしてゲームプレイに意識を向けることは他のPCさんと孝明くんを比べることにも繋がり、ゲーム内チャットやTwitter上の書き込みを絶えずチェックして、戦闘での改善点を考える日々になりました。残念ながら、私はそういったことに楽しみ以上に心理的な負担を強く感じてしまうタイプのようでした―――最終的には探索行為の中止、すなわち天呼の「ゲーム」としての部分に関わることをやめる宣言をすることになりました。

 しかしゲーム上での歩みは止めても孝明くんを退場させることはしませんでした。この時点で様々なPCさんのRPに関わっていたためです。リンクを結んだ人々に何かが起こる度に孝明くんは首を突っ込んでたような記憶があります。ある時は巨大な敵と戦い、またある時は未開の地を探索し、さらにまたある時は友人と出かけたりしました。慌ただしくも楽しい日々でした。当時は修論の執筆にも力を入れなくてはいけなかったはずでしたが。

 特に戦闘RPに関しては思い出深いものが多くあります。孝明くんは動きが素早いキャラクターではないため敵の強力な攻撃を正面から食らい、さりとて防御力も高いわけではないので露骨に大ケガしておりました。幸い、ゲーム後半の孝明くんは身体が植物そのものになっていったことで高い生命力を得たため、どれだけひどくやられても死ぬことはなかったのですが、かなり周りに心配をかけてしまっていたと思います。個人的にはズタボロになることが敵の脅威を強調するための手段になった、とも思っているのですが……どうでしょう。
 またゲーム終盤になるととあるイベントRPを境に演出が一気にインフレしていき、これだけはっちゃけちゃって次どうしようかと困ったりもしていました。巨大ロボ的なのに変身したりもしたくらいです(下)。

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 こうして孝明くんとともに駆け抜けた天呼時代。私の黄金期だったと思いますが、やはり懐かしむだけで終わりにしたくはないです。
 孝明くんにはバックストーリーがあり、天呼(およびもう一つの登場作品の「言の葉の樹の下で」)にて経験した出来事はその中で「あったかもしれないこと」に位置づけられております。このバックストーリーをいつか一本のゲームとして形にしたいと思い(もちろん、天呼でのことをその中に含めることはできないのですが)日々想像したり計画を練ったりしております。
 色々としがらみが生じてくる歳になるまでに完成させられればよいのですが……

○(蛇足の2)ぼくがかんがえてるさいきょうのていきげー

 定期ゲーを作る側に回るのもいいかもしれないと時々思ってます。
 Advent Calendar表の初日のゆうさんの記事(下)が大変すばらしく、これは自分もしっかり考えてみなくてはと思ったので書いてみました。

 とりあえず今考えてるトコだけ箇条書きにしておきます。
 本当に作るか(作っても運営するか)どうかわからないのであまり本気にしないどいて頂けるとありがたいです。

・コンセプト: ファンタジー世界での冒険を通じ、一人のキャラクターを作り上げる
 ⇒既存キャラでの参加は非推奨
 ⇒キャラメイカーを併設。質問に答えていくとどんなキャラかの説明文が出力される
  ⇒そのままコミッションに出して絵を描いてもらったりとかできる程度のものができるといい……な
 ⇒ゲームが完結を迎えたとき、その物語を通じていくつもの個性を身につけたあなただけのキャラクターが出来上がることになる。それをどうするかは自由である。他のゲームに出してもよいし、自らの創作に加えてもよい
 ⇒幅広いキャラクターが作られるように、世界観は様々なノリのものが連なったものになるかもしれない。剣と魔法の世界もあればオリエンタルな世界もあり、機械が支配する超未来の世界や原始の世界もある。キャラクターはそれらの間を行き来する機会がある
  ⇒とはいえ一作で全部やるのも大変だろうからどれか一つをやる形になるかと思う
・定期更新方式
・Enoは登録時ランダムな値が割り当てられる(開幕ダッシュしなくてOK)
・キャラクターには「個性」が割り当てられる。これはゲーム的には各種の能力値とパッシブスキルをまとめたようなものになる
 ⇒個性には筋力/器用/知力/敏捷/体力/精神といった基本的なものから、「抜け目ない」「お人好し」「ケチ」「大食い」というようなものまである
 ⇒冒険の中で一つ一つの個性のレベルが上下したり、新しい個性を手に入れたりする
  ⇒キャラクターがPLの望まない変化をしないよう、新しい個性が手に入るというときに取捨選択できるようにはする
  ⇒個性のレベルが0=その部分に関しては人並みであり、それによって物語を動かせるほどの力がないということ
   ⇒例えば「語彙力」の個性レベルが0=感情の動きを全部ヤバいやパネェで済ませる人になる、ということはない。マイナスになったらそうなるかもしれないが
・戦闘のみならず、探検、罠の解錠、交渉、はたまた遊びなどといったストーリー中に遭遇する様々な事態を「アクティビティ」と称し、全て同一のシステムのもとで扱う
 ⇒このシステムというのはとりあえずオーソドックスなターン制戦闘を想定している
 ⇒アクティビティごとに、どの能力(先述の「個性」)がどうパラメータに反映されるかが変わる
  ⇒例えば戦闘でなら「筋力」が攻撃力に、「体力」がHPになるし、論戦をする際は「知力」が攻撃力とHP(この場合あとどれくらいで論破されてしまうかという感じ)に
アクティビティのログには数字が出ない。全てが物語の一文のように表現される
 ⇒既存作品の戦闘ログで「○○はスキルを発動! スマッシュ! モンスターAに100のダメージ!!」となるところが、本作では「○○は自慢の得物を構えてモンスターAに躍りかかった。踏み込んで、勢いよく武器を振るう! ―――手応えあり!」というようになるということ
 ⇒あっさり終わる雑魚戦などは戦闘の過程がほぼすっ飛ばされたりもする。逆に戦闘が盛り上がっていると1行動1行動を全て描写する、というようにログの解像度が状況に応じて変化する
  ⇒盛り上がり具合を計算する評価関数が必要になる
・キャラクターの詳しい能力値がPLにすら明かされず、ぼかされた表記になるというのも考えている
 ⇒「腕力: 25 器用: 5……」とか表示するのではなく、「○○は腕っぷしが自慢だ」というような表記にするということ
 ⇒どれくらい優れているかは冒険してみないとわからない。難所を突破したログを実績として見せ、オレ様を連れていけば間違いはないぜ! ……みたいなことができる。だがそのすごさも実は単に運が良かっただけ、とかかもしれない
 ⇒流石にここまでやっちゃうとゲームとしての楽しみがどうなるか……という気もするのでこれは検討中

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