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BRM223 近畿200km 京都

 酒蔵の町として有名な伏見区にはかつて港がありまして、鉄道が取り代わられるまでは、京都と大阪を結ぶ淀川水運の拠点として活躍してました。衰退した港は埋め立てられ、現在は伏見港公園となっていますが、あのあたりは機能を失ってなお港湾区域として登録されています。今回のブルベは200km走ってから銭湯(発着点の公園から250m)に入ろうぜ、とういやつです。

 ご存じの通り、冬場のロードライドはとにかく寒くてクソです。山間に入れば凍結にビビり、いつもは楽しいダウンヒルが地獄となり、冷気に凍えて筋肉が凝り固まる。まさしく酔狂と呼ぶに相応しい行為に、約40名が集まって嬉々として200kmを走ると言うのだから、ランドヌールらは極めて異常な集団と言えます。

 翻って私はランドヌールでありながらも脆弱な精神性であるからして、単身で奇行に走るのは少々、いや多分に気が引けます。なのでサイスポ編集部の風呂好きエリグチさんを道連れとして出走した次第。

 この日の最高気温は7度とけっこうな冷え込みで、日が翳ると指先が冷たくなり、バーミッツを付けてこなかったことを心底後悔しました。それでもGIRO CASKADEは薄手の割によく働いてくれている印象です。少なくともブレーキをかけるに不自由ない程度に、指先の感覚を保つスペックがあればよろしいかと思っています。個人的には足先の防寒保温の方を重要視していて、この時期は冬用シューズが欠かせません。同行のエリグチさんはシューズカバーを忘れる致命的状況にも関わらず、コンビニで買ったカイロを仕込んで窮地を脱しておられました。自分なら死んでます。

ハンガーノックから回復したガッツポーズエリグチさん

 往路の半分を消化したあたりでソニックのオブジェ(フォトコントロール)に到達。凍結した桜峠を越えて折り返しの道の駅美杉で昼食を摂る。感染症対策のため換気が奨励される昨今、道の駅も例外なく良好な風通しを実現しており、冷えないだけで暖を取るところまでは望めない環境です。つらい。

 復路、名張以降はほとんど往路と同じルートです。すでに見飽きた景色を退屈ととるか、残りの距離が分かって気楽と取るかはその人次第ですが、あの日あの時あの場所では後者でした。僕らは死に体だったのです。宇治の平地へ抜ける犬打峠が、なんとまぁ朝に比べて急成長しておりまして、おそらくその標高は六甲山ぐらいはあろうかと思います。さらに峠の中腹で、今度は自分がハンガーノックを起こしてしまい、たまらず脚をついて朝食バナナをイッキして再起します。このイッキは健全です。

 宇治川沿いへ出てしまえば平地を流すウイニングランです。あまりコースプロフィールをよく確認してませんでしたが、200km3000mupでぼちぼち登るコースだったようです。

銭湯のイデア
プロテイン

 200kmのいいところは、走り終わってから風呂と飯がしっかりやれるところですね。つぎは暖かい時期のブルベを走りたいものです。

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