都市計画練馬城址公園の整備計画について(中間のまとめ) パブリックコメント


1 テーマ及びコンセプトについて
本計画のテーマは「都民に親しまれてきた土地の歴史・風土、緑豊かな自然を生かし、多様な主体と連携して社会の変化に答えながら創りあげる公園」とあります。
 このテーマ設定は大変に重要なことであり、賛意を表します。
 一方、これを「本気で」実現する姿勢は如何ばかりかと思わせられています。
 すでに、「スタジオツアー建設」が進められていて、数百本もの樹木が伐採されてしまいました。また、産業遺産ともいうべき「カルーセル・エルドラド」をはじめとする遊具もすべて撤去されていまい、昭和・平成の「としまえん」の歴史がほとんど奪われてしまったのが現状です。
 また、中世の古城である「練馬城」については、本公園の名称とはなりましたが、文化財としての調査は行われないと聞きました。埋蔵文化財等の調査を実施し、練馬城についても可能な限り明らかにする必要があると考えます。


2 多様な主体との連携について
 ここでいう「多様な主体」の中に、地域住民等はきちんと位置付けられているでしょうか。
 としまえんの閉園と「スタジオツアー」計画が明らかになって以降、さまざまな住民が自主的に意見集約や研究等を行っています。
 これらの人々が計画の実行に向けて参画することで、練馬城址公園がより地域に根ざすものとなります。
 すでに多くの公園等で、住民参画組織があり、たとえばワークショップ等を通じて意見集約の仕組みが確立しています。
 本計画においても、学識経験者等の専門家、東京都や練馬区等の行政関係者、土地所有者やスタジオツアー運営事業者等に加え、可能な限り多くの地域住民等の参画により、計画の詳細が決定されることを望みます。


3 A 花のふれあいゾーンについて
 花のふれあいゾーンは、園の西北端に位置し、現在は狭隘道路に接しています。
 補助313号線が計画されていますが、これは従来道路の拡幅ではなく、数多くの立ち退きが必要であり、開通までは相当な期間を必要とすることは想像に難くありません。蛇足ながら、私の住居も当該路線が敷地の直近を通過する予定であり、これからのことを懸念しております。
 そのような状況でありながら、花のふれあいゾーンの「機能発現のための要素」及び「ゾーンを特徴づける施設」は、補助313号線の開通を前提としたものとなっています。これでは、開園後の相当長期間にわたり、いわば「未完成」の状態が続くことが予想されます。
 超長期的には補助313号線を活用することは明記の上、同線の開通までは独立したゾーニングを実施することが必要です。

4 B エントランス交流ゾーンについて
 エントランス交流ゾーンは西武線・都営地下鉄の豊島園駅に最も近く、重要なゾーンです。一方で、スタジオツアーの利用者が多く利用することから、ゾーンの維持管理にスタジオツアーが「フリーライド」しないための取り決め等が必要です。
 また、「ゾーンを特徴づける施設」として、管理所・案内所がありますが、たとえばとしまえん開園当初に建設され、木馬の会の事務局としても親しまれたいわゆる「古城」を活用するなど、コンセプトにある「都民に親しまれてきた土地の歴史」のシンボルを配置することを求めます。
 また、住民活動等の拠点としても機能する(例えば、公園の維持管理活動、ワークショップ等の社会教育活動、避難訓練・避難所設置訓練等の自主防災活動等)施設も設置すべきと考えます。

5 歩行者等出入口について
 計画平面図によれば、本施設の外周に相当数の歩行者出入口が配置される予定です。これらは現在もとしまえんの管理車両等が利用するものですが、通常は閉鎖されていて、一般の出入りはありません。
 当公園は災害時の避難拠点でもあるので、極力自由な出入りが望ましいとはいえ、第一種住宅専用地域という性格上、とりわけ向山三丁目地区は城南住宅組合のような静謐な住宅地であることから、不特定多数の公園利用者が多数出入りすることには危惧も拭えません。
 これらの出入り口の運用については、地元住民組織等とも協議の上、時間制限等を行うことを求めます。また、災害に備えるため、感震装置連動の電磁錠(一定以上の震度の地震を検知したら自動的に開錠となる)等の設置も検討願います。


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