「いけにえにフリルがあって恥ずかしい/暮田真名」川柳の読み1
暮田真名さんの現代川柳の講座を受講し(全三回)川柳を始めました。この講座についてはまた次の機会にお話ししたいと思います。
作句も楽しいですが、「読み」というのもとてもエキサイティングな体験に感じるようになり、面白くなってきました。少ない情報をからシチュエーションや意図を読み取る、推理のような快感があります。
そんなわけで暮田真名さんの個人句集「ふりょの星」から一句抜粋して自分の読みをやってみます。この句集ほんと面白くて幸せな気分になってくるので全人類におすすめしたいです。表紙の吉田戦車さんのイラストも美しいです。
ふりょの星 著・暮田真名 左右社
いけにえにフリルがあって恥ずかしい/暮田真名
不穏さとかわいらしさが同居しています。いったいどういう状況なのでしょうか…? ミステリアスな句です。
まずフリルが「ある」という所が気になりました。フリルが付いている、ではなく「ある」。
服や布の裾に縫い付けている訳ではないように思えますが、ここから探ってみます。
もしかするといけにえの身体に生まれつきフリルが付いているのかもしれません。ヤギやニワトリにフリルがあって、神様(?)にいけにえを捧げようとする神官のような人達が不甲斐なく思っているのでは…?
こんなファンシーないけにえしか用意できないなんて恥ずかしい…。
神様が満足するようないけにえを集めるのも大変なようです。後でメルヘンいけにえを捧げた件でこっぴどく叱られたでしょう。最悪、始末書ものです。
なんて気の毒でかわいそうな神官…(?)。
荒ぶる神に仕えていなくて本当によかったです。
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