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馬と子どもと小屋づくり

ここにあるものを使って必要なものを作り出す。馬と森から丸太を出してきて、子どもたちと倉庫に使う小屋を作りました。製材されていない丸太を使って組んでみると、森の恵みをそのまま味わえるようです。

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 すでにある小屋の隣に倉庫を拡張します。水はけが良くなるように排水溝を掘り、束を置く位置を決めていきました。大きめなコンクリートブロックに丸太の柱が入るようにします。

 次に丸太を準備していきます。馬の福之助と運んできた丸太は、そのまま樹皮が付いているので鉈を使ってはがしていきます。ペロッとはがれたときは、なんだか気持ちのいいものです。虫が入って樹皮の裏を進んでいったあとが見えたりしました。

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 束の場所によって梁までの高さが違うので別々に高さを測り、柱の長さを決めます。丸太の両側の切断面に中心を見ながら十字を書いて柱の中心線がわかるように墨で線を描いてつなぎます。柱の上と下で向きがそろうようにやってみました。あとはホゾを書いてみてチェンソーや丸のこ、ノミを使って加工していきます。

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 梁は柱の受ける部分をチェンソーで面をだして、ホゾ穴部分をドリルで穴をあけノミできれいにしました。逆側の桁を乗せる部分は渡り顎の形にしました。桁も同じようにチェンソーとノミを使って加工します。

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 材料がそろったら次は組付け作業。柱を仮止めしたまま、梁を乗せていきます。梁も3mの長さになると持ち上がらないので、チェンブロックをつかってあげていきます。

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チェンブロックは、シーソーが出来るくらい重いものもあげてしまう力があるようですね。

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 ホゾの穴が合わないと何度もやり直しになって大変です。地上で仮組をして確認しておけばよかった。何度か外しては修正し、桁が組みあがり筋交いも付くと安定してきました。

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 今回は桁までを丸太で、そこから屋根組みはもらってきた廃材などを使いました。垂木は太めの材をもらえたので間隔を広めにとり、母屋の屋根の下にギリギリ入り込みました。

 あとは野地と波板で屋根づくりです。ひたすらビスと傘釘を打ちます。ポリ用の傘釘は打ちミスが多く、間違って打ってしまうと親指が痛いのでトタン用を使いました。

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 屋根まで張ってしまえば雨が降っても安心。間隔を開けた野地の隙間から明かりが入るようにしました。

 次は壁張り。廃材の野地を下地に下から張っていきます。

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 入り口は両開きに。枠を作って組んで、最後にみんなで開通しました。
ついに完成! 

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 小屋づくりには金具や工具など買ってきたものはいろいろ使っていますが、せめて目の前にある樹を使わない手はありません。太い丸太を使えば、スパンの広い空間ができ、足りなければ目の前の森から持ってくることもできます。

 丸い材は使い難いので遠ざけていましたが、チェンソーで平らな面を出すことで加工が楽にできることがわかり、凸凹している丸太同士でも組み付けができました。

 この場所にあった樹を材にすることは、直接自然の恵みを感じさせます。お金に頼れば外材という便利で安いものが簡単に手に入る世の中ですが、限られた地球の中で生きていくためにも、目の前にあるものを使って自立して暮らせるようになりたいものです。そして、この身近な森を大事にしていきたいという気持ちを、一緒に作った子どもたちにも感じてもらえていればと思っています。




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