ディベロッパー・ジェネシス/インターフェロン03(前)
……抜けるような青空の下。街外れに、ジープが一台止まっている。
初老の女性がトコトコと、街からジープに歩いていく。手には、妙に大きな花束。ジープ・ラングラーの鍵をリモコンで解除し、後部に乗り込む。
「おいアバタール。飯だよ」
――ダークグレーのハンチングを目深にかぶり、腕と足を組んで眠っていた男が、顔を上げた。幽鬼のような青白い肌と赤い左目が、露わになる。
「元ネタは〝アバター〟か。て云うかその更に元か。ヒンドゥー教徒が聞いたら怒るぞ」
「知った事か。アタシゃ人類じゃ