森見登美彦氏とわたし【出会い編】第一回

好きな作家さんは誰かと聞かれた時に挙げる三、四人の作家さんの中に件の森見登美彦氏もいる。

森見登美彦氏の作品は余さずそろえており、単行本で買ったものが文庫化されればそれも買う。

わたしの一年は森見作品とともにある。
例えば、宵山の時期なら「聖なる怠け者の冒険」や「宵山万華鏡」を読み、
秋になると「恋文の技術」を、
年末には「有頂天家族」といった具合に。

森見ファン諸賢と比ぶればヲタク具合は薄いかもしれない。
けれど、わたしはわたしなりの熱で森見作品と接している。

ところが、実はわたしと森見作品との付き合いは短い。
わたしが初めて読んだ森見作品は「夜は短し歩けよ乙女」。

きっかけは京都の某有名最高学府に在籍していた当時の恋人である。
あれは、わたしがまだ二十一歳かそこら。年上のお姉さんと、東京と京都の遠距離恋愛でメロメロになっていた時のことである。
なお、今の妻ではないので、余計なことを口にしないよう肝に銘じた上でこの先を読み進めて頂きたい。

きっと、恋人もわたしが森見沼に沈んでいくとは思いもしなかっただろう。

【出会い編】第二回に続く


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