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森見登美彦氏とわたし

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森見登美彦氏との出会いによって、大きく人生が変わったと思っているわたしが、森見登美彦氏について語るエッセイ
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#四畳半神話大系

森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】四畳半神話大系の巻

東京と京都との遠距離恋愛に耐えかねたわたしが、京都の恋人宅へ転がり込むように移住したことは、これまでに書いてきたとおりだ。 転がり込んだ先は、某西日本の最高学府のご近所で、まさしく『四畳半神話大系』の聖地であった。 東一条通りに、わたしたちのライフを支える大型スーパーができるまでは、出町桝形商店街へ食材の買い出しをしていた。 とはいえ、まっすぐ行って、まっすぐ帰るなんてことはなかった。 加茂大橋を渡ることもあれば、鴨川デルタに立ち寄ることもある。 ある時、一匹の我がちょ

森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】太陽の塔の巻

わたしが東京と京都との遠距離恋愛に耐えかねて、京都の恋人宅へ転がり込むように移住したことは、前回の「森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】プロローグ」で記述した通りだ。 その転がり込んだ家というのが、出町柳の界隈にあった。某関西最高学府もご近所と言える場所であり、鴨川に面した素敵な立地である。 そんな立地で暮らせば、ありとあらゆる森見作品を感じながら暮らせた。 今回は「太陽の塔の巻」と称して、当時の思い出を振り返っていきたいと思う。 まず、転がり込んで間もなく、わたしは出