森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】有頂天家族の巻
もりひろが東京と京都の遠距離恋愛に耐えかねて上洛したときのこと。今日、京都で過ごした数年間の始まりを思い出す。
だが待て、しばし。
上洛したばかりの頃に私の頭を悩ませたものがある。
言うまでもなく、「仕事」である。
新卒で入った某有名企業を早々に辞めてしまったような人間にできる仕事なんてなく、仕事がないと住むところもないのだ。パートナー宅へ転がり込んだとはいえ、そのままのうのうと暮らすわけにはいかない。
だが待て、しばし。
仕事がないものが家賃を払える保証などないのだから、部