森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】エピローグ
京都へ移り住む前。
まだ東京に暮らしながら、京都のパートナー宅へ通っていた頃。
金曜の夜に新幹線に飛び乗って京都に着き、JRと京阪を乗り継いだり、バスに乗って出町柳界隈のパートナー宅へ向かう。
ある時、
試しに京都駅から歩いてみた。
三月の、しとしととした雨が降る夜。
自然と口からこぼれる「迷子犬と雨のビート」
あの夜のにおいとか、湿った空気の冷たさとか、濡れた路面を照らす街頭の侘しさとか、ざわざわとした気持ちとか。
いつまでだって思い出す。
京都への移住を決意したのは、あ