森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】宵山万華鏡の巻
学生時代から続いた東京と京都との遠距離恋愛に終止符を打ち、半同棲というゼロ距離恋愛をすべく京都へ移住してからおよそ3か月。
初めての祇園祭で訪れた宵山の喧騒を、思い出してみる。
まだ、四条通の歩道が狭かった頃。
四条寺町あたりから人の波に飛び込んだ私たちは、人の波に飲まれながら長刀鉾を見上げ、四条烏丸交差点でも波から逃れることはできず、西へ西へと流されていた。
ようやく本流から抜け出して新町通りを下がってみるも、さらに密度を増した人の波に飲みこまれていた。
その間、私たち二