ドライブレシーブ(リターン)の練習での教え方

おつかれさまです!森永です。
高校バドミントン部で外部コーチをしています。

現在は新人体育大会に向けて、ダブルスの練習中。先日の部活ではドライブレシーブを練習しました。

教え方がうまくいったかなと思ったので、どのように指導したかメモしておきます。

1 顧問に教えられたことをおさらいさせた

部員たちにとっては、ドライブレシーブの練習は2回目。数日前の部活で指導したと、顧問から連絡を受けていました。

そこで、顧問の指導内容と部員たちの理解度を確かめるために

「先生に教えてもらったことをおれに教えて?」

と問いかけました


顧問と別々の指導をして部員を混乱させないために、教えられた内容を聞き出すことは大切です。練習に入る前に、確認しておいたほうがいいと思います。

ちなみに、部員の理解度はいまいちでした。ほとんど覚えていない子もいました。

忘れるのが普通です。練習のたびに、どう教えられたかおさらいしたほうがいいと思っています。

2 現状の出来をチェックする

次に、「ドライブレシーブは○曜日に顧問と練習した、低く速く返すスマッシュレシーブだよ」ということだけ伝えて、20本1セットで現状の出来をチェックしました。

おおまかに課題が見えました。返球のスピードが遅いうえ、前衛に気持ちよく叩かれる甘い高さ。

4月からバドミントンを始めた子は、大振りして空振りも多かったです。

3 前提を伝える「ダブルスは攻撃側が強い」

全員の出来をチェックしたところで、座学。練習を中断し、ドライブレシーブをなぜ練習するか理解してもらうための時間を設けました。

ドライブレシーブを身につける意義を理解したほうが、練習に前向きに取り組んでもらえて、上達も早くなることに期待しています。

まず、部員たちに「ダブルスは攻撃している(スマッシュを打っている)ほうが強い」と伝え……

「相手の早いスマッシュを上手にレシーブし続けるのと、スマッシュを連続で打つの、どっちが簡単だと思う?」

と問いかけました。

部員のひとりが「スマッシュを打つの」と答えてくれました。ダブルスは攻撃側が強いということは理解してくれたと思います。

4 ロングレシーブとドライブレシーブの違いを伝える

「ダブルスはスマッシュを打っているほうが強い」と教えたうえで、ロングレシーブとドライブレシーブの違いを教えました。

ロングレシーブをすると、相手にまたスマッシュを打たれてしまう。

ドライブレシーブで低く返せば、ネット(帯)より下で打たせられるから、相手にスマッシュを打たれない。上がってくれば、自分たちがスマッシュを打てる、と。

これは、ホワイトボードに絵を描いて説明しました。たぶん、言葉だけで説明しても理解が難しいと思います。

5 ドライブレシーブの打ち方を教えた

顧問から教わったことを覚えていないようだったので、改めてドライブレシーブの打ち方を教えました。

まず「スマッシュレシーブは振っているように見えるでしょ?」と問いかけ、そうではないよと、レシーブの最低限のポイントを教えました。

レシーブで一番大切なことは、ラケットに当ててシャトルを相手のコートに返すこと。ネットを超えて、枠の中に入れる。フレームでもへたっぴでもなんでもいい。

そのために、スマッシュの軌道に最短距離で面を用意する。そして、グリップをギュッと握る。これで70点のレシーブはできる、と教えました。

最低限のポイントだけ教えたのは、最初から細かくいろいろ言って混乱させてしまい、理解を妨げたくなかったから。最低限ができてから、次のステップに進めばいいと思います。

それに、新人体育大会までの期間も短いです。ひとつのショットを極めるよりも、70点くらいのプレーを増やしたほうがいいという判断です。

6 ドライブレシーブのお手本を見せた

最後に、僕がドライブレシーブを打ってお手本を見せました。部員にスマッシュを打たせて、バーンと跳ね返してみせる。「これくらいの低さと速さを目標にして」と伝えました。

速さを印象付けて目標を高く設定させたいから、お手本は後衛の足元に届くくらいの速さで打ちました。

実際は、ドライブレシーブは前衛を抜く(前衛が触れない・触りにいけない)程度の速さがあれば、とりあえずはOKです。

7 スマッシュに面を合わせる手投げノックをやった

ドライブレシーブの練習に入る前に、スマッシュの軌道に最短距離で面を出す練習を挟みました。

まず口頭で「シャトルに最短距離で面を出す」とおさらいします。レシーブの位置に部員を立たせて、ネットの位置から正面、フォアサイド、バックサイドにランダムで手投げしました。

大振りしている部員には「さわるだけでいいからね」と伝えました。遠くに飛ばすのではなく、シャトルに最短距離で面を出すことに集中させたかったからです。

ある部員は返球が斜めに飛ぶクセも見受けられました。「打つ瞬間に面が斜めになっているから斜めに飛ぶ」「打ちたい方向に面をまっすぐ当てる」と伝えると直りました。器用な子!

8 ドライブレシーブの練習を再開

ここでやっと、ドライレシーブの練習の再開です。僕がスマッシュを打って、部員がドライブレシーブを返します。

3人とも、「低く速く返す」意識は高まったと感じました。ひとりは、前衛を抜けるかどうかギリギリの速さで返球できました。

残りの2人は返球スピードが上がったけど、まだまだ前衛に触られてしまう速さ。でも、練習を重ねれば上達すると期待できる出来でした。がんばっていました。

大振りして空振りしがちだった初心者も、ほぼラケットに当てられるようになって安心しました。

知識を教えるのが大切だと感じた

ドライブレシーブの練習に臨む前に決めていたことは、次の3つでした。

  1. ドライブレシーブを練習する意味を理解してもらう

  2. 現状の出来を確認する

  3. 最低限のコツを教える

特に、1の「ドライブレシーブを練習する意味を理解してもらう」は一番大切だと思っていました。

理解がある状態とない状態意味では、練習の取り組み方ひいては上達スピードも変わるはず(口下手な僕の説明で、どこまで理解してくれたか不安ですが)。

ドライブレシーブの練習に限らず、そのショットに期待される効果や練習する意味やねらいを説明する時間は、しっかりとってもよさそうだなと感じました。

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