しゅごキャラ!感想(大人になっても夢なんてあるの?)

2021年、令和の時代にしゅごキャラ!を初視聴しています。

現在、30話ちょっとまで観終わりましたが、ストーリーに一区切りついた26話までの感想とそれに関連して考えたことを書きます。

二階堂先生の夢

ストーリーとしては、イースター社の手先として暗躍していた二階堂先生との決着がつきました。
子どもたちの”こころのたまご”をバツたまに変えていた二階堂先生にも、かつては”こころのたまご”があり、しゅごキャラ!が生まれていました。

物語の敵役として登場する人物にも実はそれぞれの背景があり、何か重大な出来事のために悪の道にそれてしまうという展開はよくあるものです。
こういう展開が敵キャラへの感情移入なども相まって、物語に奥行きを与えてくれます。私も大好きです。

こと、しゅごキャラ!において良いなと思ったのは、子どもたちの夢に焦点をあてた作品において、大人である二階堂先生にスポットがあてられたことでした。
子どものころに致命的な挫折を経験した二階堂先生が、大人になった後で、再び夢みることを思い出したこと。

これも、夢の形の一つなのかと思いました。大人になってもまた夢をみたって良い。そんな風に言ってもらえたような気がしましたし、子ども向けの作品において、大人の視点から夢が語られていて、誠実な作品だとも思いました。

単なる悪役の改心に留まらないストーリーで、しゅごキャラ!という作品のポテンシャルをみたような気がします。

ロッソさんの夢

以下、しゅごキャラ!から少し話がそれます。

大人が再び夢をみる。
最近見た別の作品でも同じようなエピソードが描かれていたことを思い出しました。

その一つが、Eテレで放送中のムジカ・ピッコリーノの「トキメキ」という回でした。

名曲を閉じ込めたモンスター(モンストロ)を、音楽の力で蘇らせるムジカドクター。いってみれば、この世界の第一線にいる存在。

ロッソさんというのは、ムジカドクターを支える機関士で元々コンビでムジカドクターとして活躍していたギタリストです。

この回は、昔の相方からまたドクターをやろうという手紙が来ていた所に、ロッソさんが主人公たちに変わってモンストロの治療にあたるというものでした。
そこで音楽の力でモンストロを蘇らせることの”トキメキ”を感じたロッソさんが、もう一度ムジカドクターの道へ向かっていく…という流れで終わっていきました。

時間が経っても自分の中にある”トキメキ”や何かに向かっていく気持ちは消えない。そうやって、消そうと思っても底の方から込み上げてくるのが夢なのかと思いました。

ムジカ・ピッコリーノでこうした話が描かれるのが意外で、とても印象的な回でした。

ガルザのきらめき

さらに、しゅごキャラ!から話はそれていきます。
最近のキラメイジャーの回にも、大人にとっての夢、底の方にある消えないものを感じました。

これまで、キラメイジャーを苦しめてきたガルザ。
実はそれは、ヨドン皇帝の企みによるもので、幼い頃にきらめきを封じ込められ、反対に兄であるオラディンへの憎しみを捏造されていたのです。

そんなガルザの奥底に眠るきらめきを呼び覚ましたのが充瑠でした。

一度失ったきらめきを取り戻すガルザの姿は、あむちゃんに救われた二階堂先生をみるようで、妙なシンクロニシティを感じました。

大人になっても夢なんてあるの?

話はしゅごキャラ!に戻って、ストーリーの序盤であむちゃんがプラネタリウムの管理人さんと会話をするシーンがあります。

管理人さんは、いつか小説家として名を馳せることを夢みていて、そんな彼に対してあむちゃんは、こう問いかけました。

大人になっても夢なんてあるの?

このセリフを聴いたとき、ハッとさせられました。
成人してから、それも数年経ってからやっと夢といえるものを見つけた自分にとって、大人でも夢をみてもいいんだと思えました。

しゅごキャラ!、ムジカ・ピッコリーノ、キラメイジャー。
時代や作品は違えど、夢に対する向き合い方はそれぞれ共通していて、大人の夢に対する態度が、まわりまわって子どもと夢の関係に広がりを持たせているのだと思いました。

27話以降の展開も楽しくて、しゅごキャラ!という作品の可能性をさらにみせつけられています。
このあたりは、また話の区切りがついたら書こうと思います。

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