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その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない

どうも
フェミニズム音痴です。

難しい横文字や論文の引用などは避けて
自分の周りのドラマに沿って性別について、考えている事を、お話したいなと。
(性的な事は書ききれないので避けます)

私の父方の大正生まれのおばあちゃんは、女性解放運動などをバリバリしていて秘書としてバリバリ働いており、夫である〈画家•亞人さん〉と子供2人を養っていたそうな。
当時は選挙権を求めて運動し、やっと女性の参政権が認められた頃。
「女のくせに」と言っていた候補者が
「ご婦人のみなさま」と言って演説し始める。

わたしと言えば、生まれた時から選挙権は当然のごとくあり
「誰に入れてもいいから選挙には行きなさいよ。」
と、両親から言われて、誰に投票したら良いんだぁぁぁ!!と、なんとなく耳障りが良く聞こえると、○○○党に入れてしまった、初めての1票。


戸籍上、〈女〉の枠組みに入る私は、過去の様々な人達の努力の上のものだと、当時は知るよしもなかった。
(ごめんなさい。割と強めに政治思想を持つ親への反面教師で、当時はノンポリ貫いておりました。今は違うよ!)


東京農大出身の母の時代になると
いくら、成績が良かろうと女性の就職先として
パン屋さんや、アルバイトしか待ち受けておらず
地方の牧場持ちの男性は結婚相手をゲットしに大学に入ってる人も多かったそうで
実際、当時の彼にも
「うちの農場に来たら養ってあげるよ」
と言われ激怒して婚約指輪を捨てた過去がある。

そして私が結婚した頃。
ま、言うなればどちらもリベラルなので
夫婦別姓でもいいよね。
と、書類上でのことは避けていた。
夫のご両親も了承済み。

実際、事実婚でパートナー同士も周りには何人かいたので割と普通にそうしていたんだけど

多分、多くの人が経験していたことなんだろうけど、直面するお金の問題。
扶養だとか、将来のアレコレがかなり面倒な事で
ギリギリにはなったけど、泣く泣く、「籍を合わせる」ことに。
私の氏でもどちらでも良かったんだけど

総合的に長期的に、さまざまなバランスを考えると(端折りますが)

夫の氏へ。
その代わりといってはなんだけど、世帯主は私。
氏が変わるのは、どうでもいいけど
本籍地を現住所にしており
「筆頭主」が夫になった事が結構許せなかった。



夫より、生まれた時からここに住んでいる私の方が絶対に何倍もこの土地を愛しているのに。

世帯主は知っていたけど
筆頭主なるものがあるとは、、、。

当時、お腹の子は大きく。臨月前。
夫は雇われで多忙、、、。一人で

銀行、役場、保険、車関係へ。

めくるめく、、、
辛い。

ほんとに辛い。
進んでるのか進んでいないのかも分からず
ゴールがどこにあるのか
果たして正しく進んでいるのか、、、、
予想よりも大量のタスクが用意してあって
めちゃくちゃ小さい軽自動車にでかいお腹を
ドサ!っと乗せて、ため息をつきながら、こなしていった、、、。


とりあえず後回しにできるものを後回しにして

タスクを一つ一つこなして

終わった、、、
いや、根気よく終わらせた、、、。

この時、妊娠中もあいまって散々、夫と喧嘩した気がする。
きっと、ほとんどのことは社会に対して怒っているのに完全なる八つ当たりである。

夫の名前を知らない第三者に対して夫の話をする時は「パートナー」にしようか「夫」にしようか「連れ合い」も迷ったり気持ち悪いなと思ったりもした。
(友人や、知り合いの名前の知らない相手の夫について聞く際は「○○さんの夫さん」と話している)

無事にめちゃくちゃ安産で出産し
退院してからはとりあえず寝れる時に寝る。
つらい。色々痛い。
働けないジレンマ。

そしてそこに夫が疲れた顔で帰ってくる。

イライラするのだ。


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私の方が大変だ!
飯なんか作ってあると思うな!
てめぇが先に風呂に入るな!
とりあえず私を労われ。
家事はてめぇがちゃんとやれ!
しかも完璧にな!!

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オブラートに包んでもこんな感じ。
ただでさえ、タスクの同時進行が多い家事が苦手な夫にスピードと完璧さを求めて
新生児への衛生面のため、産む前よりグッとハードルが高くなる家事仕事。
彼にとって移住して1年。
新しい環境。新しい職場。新しい一面発狂する妻。

夫は、さぞかし大変だったんだろうと思う。
私は
家事への、暮らしへの哲学が見事に崩れていく絶望感。
仕事の見通しがつかない事への焦り、不安。
ブヨブヨの水風船みたいなお腹を見ては溜息。反対に子供への愛情とで感情が忙しなかった。

タオルの耳が揃っていない
表裏が反対だ。タンスの服の横幅が揃わずにチグハグ。
「あなたの家事は美しくない!」という私に
「別に美しくなくても生きる上で支障がない」と答える。

平行線。
お互いきつかった。
かろうじて私の両親が近くに住んでるから、かなりフォローしてもらったけど
家族単体での移住者、もしくは頼る人が周りに居ない中での子育ては、想像するのもおこがましいくらいの大変さがあるのかと思う、、、。
逃げ場は作れるのなら作れるだけ作った方がいい。
なんとか、産後20日には寝かしつけた後、母に預け、起きるまでの短時間だけ畑に出られたから藍の収穫が出来た。

きっと夫に育休があったら
状況は変わっていたはず。
どんなに節約しても毎月お金は出ていくのだから
固定収入を何が何でも稼ぎ続けないといけないプレッシャーもあるのだろう。

ずっとずっと前から
何かが
誰かが犠牲になり、理不尽があり
不満があり、きっとその不満は社会のせいだと気がついて変えていった人達があるおかげで今があるし、そこに怒りがあり悲しさがあったんだと思う。
今でも社会に対して理不尽さや疑問を感じるのだから声を出さないといけない。

不思議の国のアリスで赤の女王が

「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」

と言った。
前に進むには、もっともっと走らないといけないのだ。
色んなレイヤーを重ねなければ奥行きが出ない。

だけど、結論を急げば本質から遠のく。
(特に私はそうだと思う)

家事の事での痴話喧嘩を子供に見てもらうのも良いと思うし
誰かと思ってる事を、お話しするのもいい。
変えれない属性について攻撃せずに
最初から用意されている立ち位置から
どのようにして一緒に前を向いていけるか。
そして忖度や、一段飛ばしはせずに
ゆっくり確実に駆け足で進んでいきたい。

夫が畳んだ寝巻きの表裏が反対のズボンを
「あ、、、」と思いながら
noteを書く。
以前だと怒っていたのかもしれない。

順応してる私も偉いし
寝巻きコーナーにズボンを畳んでちゃんと収めた(彼にとってはすぐに履くのだから収める必要のないこと)夫も偉い。

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