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FIP闘病記~体調不良から治療開始まで

下記記事では、どちらかというと外。病院とのやり取りが主でしたが、ここでは内側。実際家でどんな対応をしていたのか、何を思っていたのかを記していきます。

今思い返しても、一番辛い時期でした。
家族はもうダメだろうと思っていたくらいで……。
私は諦めるつもりはなかったです。絶対死なせない!まだ家に来て一年も経ってないのに!とあがいていましたが、メンタルがゴリゴリ削られて行って食事が喉を通らなくなったのを覚えています。

初期

最初に病院に行った、FIPだとは全く思っていなかった頃。
ドライフードは食べない。
嗜好品。ササミだったり刺身だったりは食べる。
これぐらいだと餌の好き嫌いの範疇と見て、まだ様子見の方も居るかもしれませんが。先代を病気で喪っている事もあり、心配で心配でしょうがなくて、この時点で早々に強制給餌を始めました。

まずは子猫用の離乳食。
肉、魚は食べていたので、それの下に離乳食を仕込み上のを食べる時に一緒に食べるように。そうすると少しは自発的に食べてくれる。
ただ、元々ウェットフードはカロリー効率が悪い事もあって、計算するとそれ程接種出来ていない。
となると、やはり流動食。
遺品のシリンジが残っていたので、それを使ってデビフのカロリーエースプラスを与えていましたが一度に10ml、20ml与えるのが精一杯でした。

それでもこの時はまだ、たいしたことないだろうと思っていましたので、これぐらいでもいいと思っていました。
肉や魚、嗜好性の高いものはおねだりしてまで食べていましたし。
おなかが減ればドライフードも食べるかもしれない……と。
実際、一度目にあった微熱や体重減少も二度目の通院時には改善されていた事もありましたので大丈夫だと。

後期

ケージに取り付けてあるハンモック

それが大きく変わったのは三度目。6/11に病院に行って大きく体重が減っていた事、そしてFIPの名前が出た事でした。

前回の血液検査の結果と症状から自分でも色々調べていてある程度の覚悟はしていました。
驚きはなかったです。
ただ、あぁ……やっぱり……。と嘆息が漏れました。

だからといって凹んでばかりもいられません。
症状は食欲不振のみ。下痢も嘔吐もしていない。
という事は、逆説的に考えればまだちゃんと胃腸ががんばっている筈。
だったら少しでも食べさせて、栄養を採らせて、少しでも状態を維持させないと!

試行錯誤の強制給餌

前述の通りウェットフードはカロリー効率はよくない。
同じ量ならドライフードの方がカロリーが4倍程取れるのでドライを与えたいのですが、そのままでは食べてくれる筈もなく……。

そこでドライフードをふやかし潰して与えようとしたのですが、思ったように潰れてくれない。
無理やりシリンジに詰めてはみたものの当然詰まる。
何か方法は?とネットで情報を漁ると手回しのコーヒーミルを使うと粉にしやすいとの事。
急いで買いに走り試してみたら、うまく粉になってくれたのでそれを水で練ってシリンジに。
といっても食べてくれるかはまた別問題なのですが……。

シリンジに入れたものを一口分ずつ何度かに分けて与えていると途中でもう嫌だと口内へ入れたのを舌で押し出してしまったり、入れている最中に首を振って口から出てしまったり。
タオルで包んで保定していても口周りやふわふわの胸毛が汚れていく様が窶れていく様と重なってひどく悲しかったのを覚えています。

元々はしっかり水を飲む子だったのに水も飲もうとしなくなっていたので、水分と栄養補給も兼ねて子猫ミルクを与えて。
勿論これも進んで飲むわけではないのでシリンジを使って。

そんな状況でも刺身などはそのままでは食べないけれど、小さくしたものを口にいれてやるとこれは美味しいものだと思い出すのか、刺身一切れ分程度は自ら食べてくれたのが有難かったです。

とにかく一度にたくさん与えられないので、朝昼晩それぞれの時間帯で少しずつを繰り返して。昼なんて休憩時間に帰って来て強制給餌、自分は食事する間もなくまたとんぼ返り。
そこまでやってようやく200kcal与えられたかどうかというぐらいでした。

元気消失と異常行動

この頃から活動性も大きく下がっていました。

呼んでも一階の居間まで降りてこない。
覗きに行くとハンモックで寝たままダルそうにこちらに視線を向けるだけ。無理に連れ出せば、部屋の隅やベッドの下で小さく丸まる。
ひんやりしていて暗い場所、隠れられる場所に行ってしまう。
先代の事を思い出して怖くなり、半泣きになりながら連れ出してごめんねとハンモックに戻して。

それだけでなく一つの奇行がありました。

それは、コンクリートやモルタルの壁、木製の床を執拗に舐めるというものでした。
実は偶に壁を舐めるという事が4月の一歳健診の頃からあり、その時点で先生に相談した所「元気だし、壁の触感が気に入ったのかもしれないね」程度でした。
ところが、この食欲不振が始まってからはもう執拗に壁を舐めるのです。

怖かったです。どう見ても異常でしたから。

尚、この奇行ですが。4日間の入院による初期治療から帰って来てから、投薬終了した今に至るまで一切見ておりません。
体調不良から来るストレスのせいか。あるいはFIPの症状の一つかもしれません。
というのも、別のFIPを発症した猫ちゃんで同じような事をしていたというブログ記事を拝読した事がありました。異常を気付いていなかったり、または発信する人が少なかったりするだけで、もしかしたらもっと他の猫ちゃんでもあるのかもしれません……。

最後に

はじめに病院にかかった日から治療に入るまでの12日間。
2週間にも満たない期間ではありましたが、本当にこの間が一番辛い時期でした。特にFIP疑いが出てから、治療法を探しつつの日々は怖かったです。

強制給餌は勝手な判断で始めましたのでこれが医療的に正解なのかはわかりませんが、私としてはやったからこそ良い状態で治療に入れたと思っています。

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