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7光線占星学理論とマグサイオイ文書

「神秘主義思想史」に書いた文書を少し編集して転載します。


-2Cにシリアで司祭(マギ)のマクシムスらによってズルワン主義=ミトラ教の占星学理論の基礎になった7光線理論が生まれました。
宇宙創造・進化を司る根源的な7つの原理である7光線の理論です。

これは、オリエントの宇宙論、占星学、そして、7の象徴体系理論として、非常に重要の理論であるにも関わらず、西欧には伝わりませんでした。

7光線理論は、ミスラ(ミトラ)が大熊座7星(北斗七星)に象徴される7つの光線を宇宙に発して、その組み合わせによって12星座や7惑星を経由して宇宙をコントロールするというものです。

ちなみに、大熊座7星が12星座よりも重視されるのには理由があります。

12星座や7惑星はすべて獣帯上を運動しますが、これらはすべて毎日地平線の下に沈む星々です。

ですが、小熊座7星(北極星を含む)や大熊座7星(北斗七星)はほとんど、あるいはまったく沈まない星々なので、世界的に12星座よりも上位の存在として重視される傾向がありました。

北極星は現在は全天の中心の不動の星なので最重要な星と考えられることが多いのですが、歳差運動を引き起こす地軸の回転があるので、現在の北極星が全天の中心にあるのはごく一時的なものでしかないのです。

7光線の中でも、第1から第3光線は最も根源的な光線でミスラへと戻ろうとする傾向を持っています。

これに対して、第4から第7光線は第3光線から派生したもので、宇宙に積極的に働こうとします。

そして、第4光線には1から3と5から7の間を取り持つ性質があります。

また、第1、3、7光線には形態の形成を促す性質、第5光線には知性の発達を促す性質、第2、4、6光線は内面的なものの発達を促す性質があります。

ズルワン主義では宇宙の創造・進化を5段階で考えます。

それは、宇宙の根源的な素材である卵の形成段階、惑星の形成段階、原人の形成段階、地球の生命の形成段階(生物の進化という発想は、ダーウィンの時代にはるかに先立って、紀元後のバビロニアに芽生えました)、人間の知的な進化の段階です。

このそれぞれの段階に働く主要な7光線があります。

それぞれ、第6光線、第3&7光線、第2&6光線、第2&4光線、第4&5光線です。7光線のそれぞれの簡単な役割については以下の表の通りです。

12星座は12の知性体であり、宇宙を取り囲んで守護する役割を与えられた存在です。

それぞれが特定のいくつかの7光線を吸収し宇宙内に発します。
その対応は表の通りです。

また、アフリマンが送り込んだ12の悪霊が存在し、これらはミスラによって退治され、地球の回りに張り付けられています。

ですから、地球には12星座の発する清浄な光線だけでなく、12悪霊を経過した不浄な光線も達すると考えられました。

また、7惑星も知性体(神々)ですが、これらもそれぞれに7光線を吸収し地球に発します。

カルデアの占星学の代表的な書は『アステロスコピカ』、『アポテレマティカ』、『ザラスシュトラの教え』、『ヒュスタスペスの神託』などで、ゾロアスター、オスタネス、ヒュスタスペスの名によってギリシャ語で書かれました。

また、マギ達によって書かれた書は総称して『マグサイオイ文書』と呼ばれ、内容は占星学に限らず、主にゾロアスターは占星術の師、オスタネスとヒュスタスペスは魔術と瞑想の師とされています。

カルデアの占星学、『マグサイオイ文書』は東西に伝えられて大きな影響を与えました。

西方へはエジプトのアレキサンドリア経由でギリシャ、ローマ世界に伝わりましたが、7光線理論は占星学の基礎であるにも関わらず、ほとんど伝えられませんでした。

ただし、中東、中央アジアではマニ教、サビアン教の中で生き続け、現在ではサビアン占星学としてより発達した形になっています。

ちなみに、曜日もカルデアの占星学に由来するもので、日本にも平安時代には伝えられました。

例えば日曜日は中国・日本では「蜜日」と表現されましたが、これはミスラが訛ったものです。


*7光線理論と近代神智学については、以下をご参照ください。

*以下もご参照ください。


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