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自作問題解説Ⅱ〜対数関数〜
2022年の京大のパクリ改題です。
◉問題
3.6<log₉2943<3.7であることを示せ。
ただし、0.301<log₁₀2<0.3011
0.4771<log₁₀3<0.4772である。
◉解答へのポイント
底が1より大きいので、A<Bのときlog₉A<log₉Bが成り立ちます。
したがってA<2943<Bを満たすなるべく2943に近い数AとBで、log₉A<log₉2943<log₉Bを簡単に示せる(log₉Aやlog₉Bの値の範囲が簡単にわかる)ものを考えます。
◉解答・解説
※【 】内は答案では書かない記述です。
(証明)
【2943に近い値を考えた時に、まず3000が思いつきます。そこでlog₉3000を考えます。】
3000=3×10³であるから、
log₉2943<log₉3000
=log₉(3×10³)
=1/2+3log₉10
=1/2+3/(2log₁₀3)
<0.5+3/(2×0.4772)
=0.5+3.14...
<3.7
したがってlog₉2943<3.7…①
【次に2943より少し小さい数Aでlog₉Aが簡単にわかるものを考えます。
問題文でlog₁₀2とlog₁₀3の値の範囲が与えられているので、素因数分解したときに2と3以外の素数が出てこない数を考えます。(例:72=2³×3²なので、log₁₀72=3log₁₀2+2log₁₀3となります。)
2943=27×109=3³×109です。ここで109より1小さい108が、108=4×27=2²×3³と表せることに気付きます。したがって27×108=2916=3³×2²×3³=2²×3⁶を使い、log₉2916の値の範囲を考えます。】
また、2916=2²×3⁶であるから、
log₉2943>log₉2916
=log₁₀(2²×3⁶) / log₁₀3²
=(2log₁₀2+6log₁₀3)/2log₁₀3
=log₁₀2/log₁₀3 + 6log₁₀3/2log₁₀3
=log₁₀2/log₁₀3 + 3
>0.301/0.4772 + 3【☆】
=0.632...+3
>3.6
したがって3.6<log₉2943…②
よって①、②から3.6<log₉2943<3.7 (証明終わり)
◉補足
【☆】log₁₀2/log₁₀3について
ここでは「どんなに小さくてもlog₉2916は3.6より大きいよ」を言いたいので、問題文にあるlog₁₀2とlog₁₀3の範囲の中で、なるべくlog₁₀2/log₁₀3を小さい値にしようとします。
・分母を大きくするほど分数の値は小さくなる
・分子を小さくするほど分数の値は小さくなる
ので、log₁₀2では与えられている範囲で一番小さい0.301を、log₁₀3では与えられている範囲で一番大きい0.4772を使って計算します。
【参考】
2916より先に2700を思い浮かべる人も多いかもしれません。2700=3³×100なので、log₉2700={log₁₀(3³×100)}/(log₁₀3²)
=(3log₁₀3+2)/2log₁₀3
=1.5 + 1/log₁₀3
とlog₁₀2を使わなくて済むからです。しかし実際に計算すると3.5959...となりギリギリ3.6より小さいため、これを証明に使えないとわかります。
◉予告
次いつ記事を出すかわかりませんが、予定では下の問題の解説をします。2022年の一橋大のパクリオマージュです。
(²みたいにa乗を打てなかったので画像です。)
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