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シャトー デ ゼサール ルージュ キュヴェ プレスティージュ

(株)稲葉さんHPより

ボルドーの生産者を巡ったのち、弊社としても重要なエリアを目指しました。それが南西地方のベルジュラックです。ベルジュラックと聞いて、エリアの場所がすぐにわかるという方は…なかなかいないと思います。それもそのはず、このエリアは歴史的な背景により栄光の影に阻まれてしまった場所ともいえます。イギリスとの貿易港として栄えたボルドーから東へ約100kmの場所に位置しており、育てている品種も白ブドウはソーヴィニヨン・ブランやセミヨン、黒ブドウはメルロ、カベルネ ソーヴィニヨン、近年ではカベルネ フランなどと、ほとんど同じ品種のブドウが育てられています。唯一の違いとすれば…その認知度の違いです。ただ、その認知が広がることで、ボルドーワインを凌駕するほどのコストパフォーマンスの高いワインを知ることができます。そんなワインを造り続けている生産者が、キュイセ親子が指揮を執るシャトー デ ゼサールであります。

キュイセ親子とお会いするのは3年ぶりではありましたが、相変わらずパッション(情熱)の強いお二人で、テイスティングの最中も圧倒されるほどの勢いでありました。また父であるパスカル(写真左)からは、これまでは“俺のワイン”と表現していた部分が、娘のフラヴィがシャトーに戻ってからは“俺たちのワイン”と公言するようになったことも、とても大きな変化の一つであることは間違いありません。近況含め、溢れてしまうほどの情報をいただいておりますが、今回はその中でも重要な項目に焦点を当てていきます。

●困難を乗り越え、そして迎えた
素晴らしいヴィンテージ(2017-2018)

2017年は、霜害により大変多くの損失を被った年とりました。そういった年でも、例年通りに畑作業をしなくてならないため、労力以上に難しかったです。しかし、その中でも出来上がったワインの品質には満足しています。
そして迎えた2018年も、スタートは不思議な年でした。6月に雨が多く降り、ベト病の不安が大変大きい年でありました、霜害もなく収穫量も確保できたことで、結果的には大変素晴らしい年となりました。特に赤は2016年に似たヴィンテージで大変素晴らしい品質です。キュヴェ セメンタルや、キュヴェ フラヴィも生産出来、喜びの多い一年となりました。



●ベルジュラックという土地での新たな挑戦は続く

シャトー デ ゼサールは、常に挑戦を続けることで著しい成長を遂げている生産者でありますが、そんな彼らも続々と新たな挑戦に取り組んでいます。近年では、温暖化の影響が進む中、この土地で栽培するには難しかったカベルネ フランに着目をし、素晴らしいワインを生産するに至っています。次のプロジェクトは、まだお伝えできませんが、あっと驚くようなワインがリリースされるかもしれません!パスカル自身も「アペラシオンで売るのではなく、ゼサールのワインとして知ることが大切」と語ります。訪問するたびに驚きが満載ですが、この期待を裏切らないのが彼らの強みの一つでもあると感じます。





ベルジュラック中心街の対岸、ドルドーニュ川沿いにあるフレンチレストラン「Le Bistro d'en Face」。もともと対岸に店を構えていましたが、2年前に新しくオープン。ミシュランガイド ビブグルマン2019掲載店でもあり、非常に人気が高いようで、トリップアドバイザーでも100を超えるベルジュラックの飲食店の中でも第3位にランクインしています。お料理は伝統的なフレンチではなくモダンスタイル。日本食のフュージョンの要素もあり、料理名に「TATAKI」や「NAMERAKA」と、ジャパニーズ要素がちりばめられていたのが印象的で、お店ではシャトー デ ゼサール ブラン キュヴェ プレスティージュ(商品CD:FB-237)を使っていただいているそうです。食事の途中、ご夫婦のお客様と親しげに挨拶をするパスカルさんとフラヴィさん。食事の最中も、普段から彼らのワインを良く買いに来るという個人のお客様からも声をかけられている姿をみて、地元での人気の高さもうかがう事ができた一面でした。ベルジュラックを訪れた際には、ぜひとも伺ってみてはいかがでしょうか?

彼らとの取引年数も非常に長いものとなってきましたが、これまでの道のりは、パートナーだからこそ理解しあう協力関係があったからこそといえます。パスカルは常にオープンマインでなければならいと、初めて日本に来日した際、自分自身のワインを試したことで、日本の市場にはどのように変化すべきなのかをすぐに取り組む姿勢には驚きでした。また農夫である中で、ビジネスという点も理解しようと、日本市場について考え、気に留めてくれる、大変貴重な存在であると感じます。また日本のマーケットはAC(原産地呼称)だけで買う人が少ないということが、自らにとって更にアドバンテージになっているといい、『シャトー デ ゼサールのワイン』として認知され、購買につながる市場は本当に少ないと語ります。さらに、最も時間を費やしているのは、畑作業の労力を伝えてくれるのも日本の市場だけと、商品のデザイン、見た目だけではない、本質の部分を正しい情報として伝えてくれる唯一の市場であると語ってくれました。

いつも明るく、そして自信に満ち溢れながらワインについてパスカル。娘のフラヴィはまるで鏡写しのように父の情熱を受け継ぎワイン造りを継承している姿が印象的でありました。2017年に霜害の影響はあったというものの、日々葡萄の品質に重きをおく姿勢から、素晴らしいワインが出来上がっています。翌年の2018年は、その苦労が報われるかのように、最上級であるセメンタルまでも生産できたビックヴィンテージが待っていたことについては、彼らが常に向き合ってきている畑が、ブドウがほほ笑み、託した年とも言えます。常に新しいことに挑戦する意欲と、全ての真実はここ(ベルジュラック)にあるというフレーズがまさに証明しているのはないでしょうか。試飲をしていく中で、身震いした感覚は初めてであり、ゼサールのワインとして、更に幅広いお客様にこの情熱を届けていきたいです。

営業2課 山田 航



高級ボルドーを凌駕する高品質
なのに、手に届く価格は魅力的

夜間に葡萄を収穫します。発酵前に、4~5日間スキンコンタクトし、ステンレスタンクで28度に保ちながら発酵させます。フレンチオークの樽(新、1年、2年各1/3)で12ヶ月熟成、その後タンクで5~6ヶ月寝かせます。濃く、透けて通らない深いルビー色。リッチでありながら、エレガントな風味が感じられます。初めに洗練された甘さのあるバニラのような樽の風味があり、適度にまろやかな酸味と果実味とのバランスがとれています。凝縮した果実味に由来するほのかな甘さはありますが、全体的にはタニックで、かなり強めの渋みがあり、飲み応えは抜群です。

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