見出し画像

カール ファフマン シュペートブルグンダー ビショフスクロイツ QbA トロッケン 2019

目指すのは品種の特性を出した、インターナショナルなスタイル。でもファルツらしさも忘れません。

「品種の特性を出した、インターナショナルなスタイルを目指しています」
しかし、ファルツらしさも忘れないようにしています。土壌、日差し、マーケットの需要により植える品種を決めています。多くの葡萄品種を栽培しているのは、天候により全滅するリスクを避けるためでもあります。早めに剪定作業を行い、切り落とした枝を有機肥料としています。また、地中の水分を調節するため、樹と樹の間に特別な草を生やしています。



「購入農家とは面積単位で契約」

ほとんどのワインは自家畑の葡萄を使用しますが、一部、他の栽培農家から葡萄を購入しています。畑の面積での契約をし、収穫はファフマンが行います。このような契約の形態を取っているのは、色々な品種を栽培出来るなど、柔軟にワイン
が造れるからです。考え方や価値観を理解し共有できる人にしか頼んでいないので、思った品質の葡萄を造ってもらえています。


「オゾン水を使った瓶詰システムを導入」

地下5mの位置にワイン倉庫があります。倉庫の上にはソーラーパネルがあります。夏でも17度で、20度以上にはなりません。倉庫内は、カビへの対策もしています。2013年から最新のボトリングシステムを導入。オゾン水を使って清掃を行うことで、ボトル内の空気がきれいになり、バクテリアが発生しなくなります。また、白ワインをボトリングする際には、二酸化炭素を注入して、酸化を防ぎ、よりフレッシュな状態を保ちます。

「直売所でじかに消費者の声を把握」  

販売先は、国内が45%、輸出が45%、直売所が10%です。直売所に買いに来る人達は品質に敏感なので、消費者の意見をダイレクトに聞くことが出来、また注意深く観察してマーケットを把握する参考にしています。



【歴史】
1955年 カール ファフマンがファルツのヴァルハイム村に設立
【オーナー】
ヘルムート ファフマン:2代目。
マルクス ファフマン:3代目。ケラーマイスター。ワイン造りはカリフォルニア、ブルゴーニュ、ドイツ各地で修業を行った。フリッツ ハークのオリヴァーとも一緒に勉強した。
【葡萄園】
100ha その内自社畑83ha 全体の20~25%が赤ワイン。リースリング30%、グラウブルグンダー25%、ヴァイスブルグンダー10%、シャルドネ5%、シュペートブルグンダー10%、その他20%栽培「FAIR’N GREEN」の認証あり。持続可能(サスティナブル)農法で、環境に良い、化学的なものを使用していないという証明。
殺虫剤は15年使用せず、フェロモンカプセルで対応。かび対策は、余計な葉を落として、空気の流通を良くして対応。ワイン造りの物語クリーンな発酵をするため、選別酵母を使用。SO2を使わず発酵し、長く澱と寝かせる。


仏のピノ ノワールと同じ品種
果実の甘み、飲みやすいスタイル

ドイツは世界第3位のピノ ノワール(シュペートブルグンダー)の生産国で、ファルツでも重要な品種です。特に南ファルツの石灰岩質で熱を蓄える土壌は、この品種に向いています。ヌスドルファー ビショッフスクロイツからのワイン。畑の区画は北東向きで、標高は160~180mです。平均樹齢は25年。土壌は石灰岩を含む砂質ロームです。発酵、熟成ともにステンレスタンクで行います。発酵は26度にコントロールしながら行います。醸しは1~2週間です。瓶詰の際に、フィルターを通しています(ドイツ人は澱が嫌いなため)。赤い果実と控えめなタンニンの調和が、見事です。ブルゴーニュのピノ ノワールよりも果実の甘みを感じ、やわらかく飲みやすいスタイルです。ピノ ノワールの入門用ワインとしてもお薦め出来ます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?