マノ ア マーノ ソーヴィニヨンブラン 2019
【ワイン紹介】※稲葉さんHPよりまとめ
●『自分では良いワインをつくっていると信じていたけれど、実際にはまったく造っていなかった。そうではないと気づいたんだ』
1990年にボルドーのシュヴァルブランの畑に行ったとき、そこで葡萄の実を食べた時に驚いたそうです。
「メルロの果実味にブラックチョコレートの風味…いったいなんだこれは!」
と圧倒されてしまった彼は、帰ってきて自分の畑のメルロを食べてみたところ
「甘い葡萄だ…」ただそれだけしか感じなかった。
しかし、それに気づいたのがすべてのはじまり。
『品質は畑にあり!』という信念が生まれたのです。
オーガニック認証は敢えてせず、リュットレゾネ(減農法)で対応しています。
「認証を取得してしまうと、ベト病が発生したとき、許可されているボルドー液(銅と硫黄)しか使用できない。ボルドー液は雨が降ると流されてしまうため何度も撒かないといけない。しかし銅は土の中に浸透して残留してしまう。これは人体や自然環境に影響を及ぼすため良くないと考えている。私たちは普段からベト病対策用に、オーガニックの肥料を畑に必要な分だけ撒いている。そうすることで葡萄も健康になるため、病害への耐性がついているんだ。」
●「ソーヴィニヨンブランには壮大な情熱を持っている!」
ソーヴィニヨン ブランのアロマは、アスパラや草のようなグリーンなもの、ピーチやパイナップルなどのトロピカルなもの、白い花のような華やかなものなど、熟度によって異なる魅力があり、それが面白いのだと言います。
「ある時、ニュージーランドのクラウディ ベイを飲み、ソーヴィニヨン ブランの素晴らしさに驚いた。彼らは伝統に拘らないオープンで自由な発想を持っていた。そしてこの出会いが、”世界中のどこにもないソーヴィニヨンブラン”を造りたいという信念となった。クラウディ ベイを真似するのではなく、独自のソーヴィニヨン ブランだ」。
パスカルはその時の技術でソーヴィニヨン ブランのワインを造り上げ、輸出市場で成功を収めました。「私たちのキュヴェ プレスティージュが、イギリスのワインマガジンに掲載され、ペサック レオニャンのワインを集めたブラインドテイスティングで No.1になったことがあるんだ。ペサック レオニャンの特集だったのに、その中に 2本だけベルジュラックのワインが混ぜられていたんだよ!」。
「スキンコンタクトが味わいの命! 葡萄の味わいは皮にある」
シャトー デ ゼサールでは、白ワインだけでなく、赤ワインでも発酵前のスキンコンタクト(マ
セラシオン ペリキュレール)を行っています。「なぜかというと、葡萄の味わいは皮にあるからだ。皮の成分が、果汁に行き渡る。収穫するタイミングを判断する際、以前は分析表に頼っていたが、今は頼らない。その時、その時に葡萄を味わって確かめるんだ。自ら畑に出向き、葡萄を味わうことにより、すべてを把握することが出来る」とパスカルは語っています。
●ボルドーの陰に隠れた不遇の産地ベルジュラック
ベルジュラックは、ボルドーの中心から 100km ほど東へいった場所にあります。アペラシオンの面積は、ボルドーの 10 分の 1 ほどです。
14 世紀頃には銘醸地として広く知られていましたが、ボルドーが自分たちに有利な特権を得て、ベルジュラックを含む上流域のワインをすぐに出荷出来ないように定めたことから、名声を失うことになります。当時は保管のための技術は発達しておらず、新しいワインほど最上とされていた時代でした。つまり、出荷が遅れれば遅れるだけ、ワインは劣化してしまったのです。
「どんなにありきたりの品質でも、ボルドーワインにはボルドーとしての市場があるが、ベルジュラックは良い品質であっても市場は無かった。だから、ネームバリューで売るのではなく、高品質かつリーズナブルな価格のワインということに重点を置くことにしたんだ。また、ベルジュラックの近隣の人とも全く違う、独自のスタイルのものを目指した。そのため隣人たちから、時には(よそ者という意味で)” オーストラリア人”とも言われたよ」。
●ソーヴィニヨン ブランへの情熱を表現した 1 本!
マノ ア マノ ソーヴィニヨン ブラン 2019
Mano A Mano Sauvignon Blanc
「マノ ア マノ」は、「手と手」という意味です。ソーヴィニヨン ブランはキュイセ家にとって大切な葡萄なので、家族が家族へ手渡していくという意味を込めて名付けました。「これは私の葡萄の味、私が理想とする果実の味がこのワインに表現されている。飲んでもらえば分かる」とパスカルは話していました。パイナップルやパッションフルーツを思わせるトロピカルフルーツの甘い果実味、酸は穏やかで、ミネラルの要素が感じられます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?