黄昏猫

日々感じるとりとめもないこと。 忘れてもいいけど、のこせたらおもしろいなあ。

黄昏猫

日々感じるとりとめもないこと。 忘れてもいいけど、のこせたらおもしろいなあ。

最近の記事

言い間違いと、弾ける舌触りと、母の笑い声と。

幼稚園に通っていた頃、友達の家に遊びに行った。 そこで初めて、私は出会った。 しゅわしゅわで、透明で、グラスの中できらきら輝く飲み物。 飲んだら、甘くて、口の中でパチパチ弾けて、私はその特別な体験にどきどきした。 夕方になり、母に車で迎えにきてもらった。 車を降りて、母に伝える。 「きょうね、『土屋』サイダー、のんだの。」 母は、私の言葉を聞いて、はははっと笑った。 「三ツ矢サイダー、でしょ。」 二十代になった今でも、三ツ矢サイダーを飲むとき、母とその話をする。 #

    • 夏休みのグッピー当番

      今日、私は職場で日直だった。 夏休みなので、日直の仕事には「グッピーに餌やり」という項目がある。 普段は係がいるので、私はほとんど関わらない。 グッピーの水槽に近づく。 餌をくれるのかと、グッピーたちがわらわらと私の方に近づいてくる。 こいつ誰やねん、と数匹は思っているだろう。 餌が入っている容器のふたを開ける。 赤茶色のフレークのような餌。 昔、実家で「コリドラスパンダ」という熱帯魚を飼っていたので、この餌は懐かしかった。 「ひとつまみくらい」と書いてあったので、ひと

      • ラーメン専用胃袋

        職業柄、飲み会の時期。 飲み会に出ると、ああ、わたし、上手いことできないなあ、といつも思う。 上手く笑えなかったなあ。 上司の絡みに、上手にのれなかったなあ。 帰ってからはいつも、反省会。 5500円払って幹事をやるって、変な気持ち。 お金払って仕事しているみたい。 でも仕方がないのだ、ってわかっている。 二次会と称して、ラーメン屋に入った。 人数は8人。 どう考えてもラーメンは入らないと断るけれど、アイスでも食べなさいと連れて行かれる。 私は仕方ないからメロン味のスジ

        • ブルーベリーが添えられたブラウニー

          土曜日。昼寝から目が覚めて、今日一日何もしていないな、と思った。 少しでも今日という日の実績を残したくて、自転車に乗って近所のカフェに行った。 最近気に入っているカフェ。 今日頼んだのはアイスロイヤルミルクティと、ブラウニー。 焼き菓子のところに並んでいたブラウニーは、運ばれてきたらこんなふうにクリームとブルーベリーが添えられていた。 おめかし。という言葉が浮かぶ。 意図せずブルーベリーが食べられることに内心歓喜した。 一口飲んだら、紅茶の味が思ったよりずっと華やかで、

        言い間違いと、弾ける舌触りと、母の笑い声と。